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《zak女の雄叫び お題は「選ぶ」》エボラ病原体 輸入の「選択」

 「エボラ出血熱」。国外で多くの死者をもたらしていたこの感染症の存在を知ったのは数十年も前、高校生の頃だった。

 患者には高熱や嘔吐(おうと)などの症状が現れ、進行すると皮膚から出血。致死率は90%に上ることもあるとされ、強い恐れを抱いた。

 現在もその脅威は消えてはいない。コンゴ(旧ザイール)では昨年夏に流行が宣言され、感染者は疑い例を含め2000人を超え、1300人以上が死亡したと伝えられる。感染は隣国のウガンダにも拡大している。

 国内で患者が発生した場合に備え、対策強化が叫ばれる中、厚生労働省は今月、エボラ出血熱など致死率が高い5種類の感染症の病原体を輸入することを正式に決めた。

 輸入されることになるのは、エボラ出血熱、南米出血熱、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病-の5種類の感染症の病原体だ。輸入後は高度な安全性が確保されている「バイオセーフティーレベル(BSL)4」と呼ばれる施設で保管されることになるという。

 この施設があるのは国内では現在、東京都武蔵村山市にある国立感染症研究所村山庁舎だけ。輸入に当たっては地元から不安の声も上がったが、厚労省と感染研はこれまで、住民向け説明会を幾度となく開催するなど、取り組みを進めてきた。

 「国民の生命と健康を守るための検査態勢強化の大きな一歩を踏み出すことができた」。地元市長と面談した根本匠厚労相は今月1日、病原体の輸入手続きを進める意向を表明した。

 輸入が決まったことの意味は大きい。

 先進各国では現在、病原体そのものを用いた検査法が整備されている。日本では人工的に合成した病原体の一部を使ってきたが、実際の病原体を使うことで、回復具合を判断する検査法が確立できる。変異している病原体に対しても、正確で迅速な診断が可能になるという。

 西アフリカで流行があった平成26年、国内でもエボラ出血熱の感染疑い例が相次ぎ、社会が騒然となったことは記憶に新しい。国内外から多くの人が集まる東京五輪・パラリンピックを控え、脅威は対岸の火事ではない。今でき得る対策が、一つ一つ確実に行われていくことを願いたい。(M)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。7月のお題は「選ぶ」です。

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