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【有本香の以読制毒】北朝鮮に「米軍基地計画」情報 金正恩氏が米朝会談で懇願か 「THAAD配備」の仰天話も

 梅雨寒の天気に似て、今般の参院選(21日投開票)は盛り上がりを欠いている。候補者と各党幹部は懸命に走り回り声を上げてはいるが、争点は無きに等しく、野党は弱過ぎる。

 ドンヨリとダルい空気のなか、少々緊張感ある話題となっているのが、日本政府による韓国向け半導体素材3品目の輸出管理強化-、8月にも「ホワイト国」から除外する措置だ。

 この件は半年も前に、夕刊フジが可能性を報じ、その内容を一部韓国メディアが転電していた。日本政府も幾度か警告したことを、いまさら韓国側が騒ぐのもどうかしている。

 先日の民放番組では、自民党の萩生田光一幹事長代行が、化学兵器の材料ともなる戦略物資の「行き先が分からないような事案が見つかっている」といい、韓国経由で北朝鮮などに流れた可能性を示唆した。直後、筆者が萩生田氏に真意を聞くと、氏はテレビでの発言を補完しつつ、安全保障上の問題として深刻な懸念を寄せている旨を語った。

 だが、選挙戦の演説で、この重大事に触れる候補者は少ない。隣の半島の2国が「核や大量破壊兵器製造を媒介に連帯か」ともみられる現状に至ってもなお、日本の選挙で「安全保障は票にならない」からである。

 一方、そんな平和ボケ、太平楽な空気を切り裂くかとおぼしき話が聞こえてきてもいる。

 政治評論家の鈴木棟一氏も夕刊フジ連載「風雲永田町」(4日発行)で触れておられたが、米国と北朝鮮が、「北朝鮮内に米軍基地を置く」ことを話し合ったというのだ。

 筆者が最初にこの話を耳にしたのは、ベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談の少し後。与太話の類と思って聞き流した。

 だが最近、複数の朝鮮ウォッチャーが口にし、政府関係者からも「関心を寄せざるを得ない話題」との言を得、無視できないと思い直した。

 内容はこうだ。北朝鮮の北東、日本海に面する羅先(ラソン)という港町がある。北朝鮮では例外的に外国資本に開かれた経済特区の特別市だ。この港は2010年、中国が租借権を得、以降、中国マネーで埠頭(ふとう)の整備などが進められてきた。

 他のアジア諸国での港湾整備案件と同様、中国はいずれ羅先を自国海軍の拠点にしようとしている-そんな予測は、当時からあった。

 ただし、北朝鮮は他国とは一味違っていた。中国の言いなりに陥らないよう、羅先港の利用をロシアにも許し、さらにモンゴルなどにもいい顔をして「三すくみ」状態をつくりだそうとしたのである。

 周囲の大国を次々と自らの問題に引き込み、時々に優勢な国に付いて利を得る。この事大主義的外交術は、古来、朝鮮で行われてきた「伝統芸」だ。

 とはいっても現在のところ、中露をすくませるに十分な「第3の力」を得るには至っていない。

 そこで考えた「ウルトラC」の新ターゲットが、ドナルド・トランプ大統領の米国ということのようだ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長自身が「羅先」に言及し、トランプ氏やマイク・ポンペオ国務長官に「韓国が配備を嫌がっている米軍の最新鋭迎撃システム『THAAD(高高度防衛ミサイル)』をうちへ」と言ったとの仰天話も聞かれる。

 むろん真偽は確定できない。だが、いつの時代も国際情勢は複雑怪奇。昨日の敵が今日の友に、瞬時に替わることも珍しくない。そんな世界を相手に、拉致被害者を取り返し、日本を守り抜く。その過酷な使命に命懸けで挑む人にこそ、一票を投じたい。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(産経新聞出版)など多数。

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