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《zak女の雄叫び お題は「選ぶ」》参院選とは大違い? 米大統領選にみる熱気とメディア戦略

 米国では、来年11月の大統領選に向けた舌戦が早くも盛り上がっている。再選を目指すトランプ大統領を倒すため20人超の民主党候補者が立候補し、テレビ討論会が始まっているのだ。

 7月30、31日には中西部ミシガン州デトロイトでCNNテレビが主催し、第2回の討論会を開催。6月の第1回の討論会は初日に約1500万人、2日目に約1800万人が視聴し、米政治の“主役”であるトランプ氏が不在でも高い関心を得ていることがうかがえる。

 討論会を見ていると、各候補の巧みなメディア戦略が面白い。7月30日の討論会では急進左派のサンダース上院議員が、自身が法案を上院に提出した「国民皆保険」について熱弁し、適用範囲は「包括的だ」とアピール。候補者の1人から疑問を呈されると、サンダース氏は、スラングを使って「I wrote the damn bill!(私が法案を書いたんだ)」と反論し、会場がどっと沸いた。

 すると、討論会が終了する前に、記者の元にも「I wrote the damn bill!」のステッカーを宣伝するメールが早速届いた。サンダース氏に献金をすれば、このステッカーがもらえるというのだ。米メディアがこぞって取り上げる注目ワードとなり、さらなる拡散を狙っているのだろう。事前に用意していたかのようなサンダース陣営の早業には驚いた。

 前回の討論会では、黒人女性のハリス上院議員が、バイデン前副大統領の過去の人種差別問題を糾弾して支持率を上げた。ハリス氏の陣営も、討論会で注目を浴びた発言「That little girl was me(少女とは私のことです)」を最大限にアピール。選挙キャンペーングッズとして、6歳のころのハリス氏の写真をプリントしたTシャツを販売し、物議を醸した。

 4年に1度の大統領選は「全米を巻き込む巨大なお祭り」と評され、候補者のあの手この手の戦略や、有権者の熱気には圧倒されるばかりだ。

 出馬集会などに出向くと、まずは候補者ではなく、地元の有力者や党関係者などが登壇し「応援演説」が延々と続く。候補者本人が出てくるのは、観客の会場入りから約4時間後といった集会もあって待ちくたびれることも。ただ、「これだけ待たされたら応援する気もなくなるんじゃないか…」と不満げなのは記者だけで、支持者らはコールしたり音楽に合わせて踊ったりと、心底楽しんでいる様子が印象的だった。

 今回の参院選が盛り上がりに欠け、24年ぶりに50%を割り込んだというニュースに触れると、老若男女の20人もの候補が未来の国のあり方を語り、政治を楽しむ米国人がうらやましく思えてくる。

 ニューヨークの街のこと、米社会のこと何でも取材中。(M)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。7月のお題は「選ぶ」です。

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