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“不吉な”先行き暗示する指標 消費増税や海外要因に懸念…数兆円規模の補正が必要に

 4~6月期国内総生産(GDP)の1次速報値は年率1・8%増と3四半期連続でプラス成長となった。

 実質GDPの構成要素をみると、民間消費が年率2・5%増、民間住宅が1・0%増、民間企業設備が6・1%増、政府最終消費が3・8%増、公的固定資本が4・0%増、輸出が0・2%減、輸入が6・7%増と内需がまずますの数字だった。

 特に、消費は大型連休や天候による押し上げ効果が大きかった。民間エコノミストによる事前予測は若干のプラスだったが、それを大きく上回った。

 具体的には、令和祝賀ムードの中、4月末から5月にかけての10連休で、旅行などレジャー関連の消費が伸びた。自動車やエアコンの売れ行きが良かったことも幸いした。ただし、米中貿易戦争を反映し、中国向け輸出などが落ち込んだために、輸出は若干減少した。

 筆者は、このほかに、1次速報であることも若干関係しているのではないかとみている。

 実のところ、実質GDPは景気動向指数のうち、一致指数とかなり連動することが知られている。一致指数の前月差をみると、4月が1・0ポイント上昇、5月が1・3ポイント上昇、6月が3・0ポイント低下になっている。

 1次速報が出るのは四半期が終わってから1カ月と2週間ほど後で、2次速報はさらに1カ月後に公表される。GDP速報は月次の経済統計で推計し、個人消費は家計調査や商業販売統計、設備投資は生産動態統計、輸出入は国際収支などを使う。

 1次速報から2次速報になる段階で未発表だった法人企業統計が新たに推計に加わる。この影響で2次速報で設備投資などが1次速報から大きく振れることもある。

 法人企業統計は4~6月分なので、あまり良い数字でない可能性がある。そうであれば、1カ月後に発表されるGDPの2次速報は1次速報の数字が下方修正されている可能性は否定できない。

 ちなみに、景気動向指数の先行指標の前月差でみると、4月が0・2ポイント上昇、5月が1・0ポイント低下、6月が1・6ポイント低下と悪くなっている。

 本コラムでは、消費増税が行われる10月以降、(1)米中貿易戦争(2)英国の欧州連合(EU)離脱による欧州経済の混乱(3)ホルムズ海峡の勃発的衝突の可能性(4)日韓貿易紛争による外的なリスク-を指摘してきた。その上で、(5)消費増税されると内需も危うくなるので、消費増税をしている場合ではないとも主張してきた。これは筆者だけでなく、世界の名だたるエコノミストの懸念でもある。

 どうも、景気動向指数の先行指標の数字は、この不吉な先行きを暗示しているかのようだ。

 安倍晋三首相は、政治的理由から消費増税を決断したが、経済的には消費増税の悪影響に備えて景気対策を行うとしている。景気の落ち込みがあれば、増税分を吐き出すくらいの景気対策や減税が必要になるだろう。秋の臨時国会で数兆円規模の補正予算が組まれることになるのではないだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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