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《zak女の雄叫び お題は「夏休み」》ブータンってどんな国?

 山間を縫う川の流れに、広がる田園風景。そよ風が稲穂を揺らす音と、虫の合唱が耳にも心地良い。目を閉じると日本の里山に来たような錯覚にとらわれるが…ここは日本ではなく、ブータン。秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁さまが私的旅行で訪問された首都のティンプーと西部の都市・パロに取材で同行し、ブータンの自然や文化の一端に触れた。

 ご夫妻と悠仁さまのご到着場面を取材するため、東京から深夜便でタイのバンコクに向かい、ブータンの航空会社「ドゥルックエアー」の航空便に乗り継いでお三方よりも1日早くパロに入った。

 山に囲まれた地形のため、飛行機は急峻な斜面をかすめるようにパロ国際空港に着陸。「世界でも有数の着陸が難しい空港」とも呼ばれていることを着陸後に知り、一瞬背中に冷たいものが走った。まず空港で出迎えてくれたのは、ブータンの国王夫妻が笑顔で並ぶ巨大な写真。国王の写真は市街地のレストランや商店など至る所に掲げられ、王室の人気がうかがえた。

 里山の集落や田園風景とともに、日本に似ているなぁと感じたのが、ブータンの人々。男性も女性も、どこか見覚えのあるような顔。伝統的な衣装の「ゴ」(男性用)と「キラ」(女性用)も、日本の着物に似ている。

 行く先々でこちらが会釈をすると、ちょっと恥ずかしそうに笑顔で会釈を返してくれる奥ゆかしさ、礼儀正しさも、言葉はなくてもなんとなく通じ合えているような気持ちになる。レストランで思わず、ウエートレスの女性に日本語で話しかけてしまったほどだ。

 九州と同じくらいの広さの国土に、人口約75万人が暮らすこのブータンと、日本は歴史的にも深いつながりがある。ブータンの基幹産業の1つである農業の発展には、1960年代に日本の農業指導者、故・西岡京治氏の功績が大きいといい、取材中に出会った農家の高齢女性も、「西岡さんは仏様みたいな人」と話した。食卓にはニンジンやインゲン、カボチャ、ジャガイモ、リンゴなど、日本人になじみ深い野菜や果物が並ぶ。

 子供たちの世代では、日本のアニメが人気だ。ティンプーの国立弓技場で、「こんにちは。日本のどこからですか」と日本語で話しかけてきてくれたリチェン・カンドゥ・アムギェル君(15)は、「ONE PIECE(ワンピース)」や「NARUTO-ナルト-」などのアニメの大ファンという。「日本語はアニメで学んだ。将来は日本の大学に進みたい」と教えてくれた。

 今回の秋篠宮ご夫妻と悠仁さまのブータンご訪問は、悠仁さまの夏休みを利用した私的旅行だったが、王室はじめ国を挙げた最大級の歓迎で迎えられた。現地の新聞でも写真付きで大きく報じられ、ブータンの人々が日本の皇室に対して親しみを抱いていることも感じられた。「日本とすごく似ている感じがします」-。悠仁さまが滞在中、報道陣の質問にこう答えられたように、ブータンという国の自然や文化、人々を、記者自身も身近に感じた旅だった。(い)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。8月のお題は「夏休み」です。

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