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横浜市長、白紙一転「カジノ誘致」の内情 菅長官の決断が背中押した?

 横浜市の林文子市長は22日午後の記者会見で、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を正式表明した。同市が候補地として挙げるのは、観光名所の山下公園に隣接する横浜港の山下埠頭(ふとう=47ヘクタール)である。

 これまでに、大阪府・市と、和歌山市、長崎県佐世保市が誘致を表明している。これ以外にも、千葉市、北海道苫小牧市、愛知県常滑市などが名乗りを上げるようだ。

 だが、国は昨年7月に成立したIR整備法で、全国で3カ所までの設置を認めているだけである。従って、今後はMGMリゾーツなど米カジノ運営大手を交えた激しい誘致合戦が繰り広げられる。

 注目されるのは、林市長は17年7月の市長選で「カジノ誘致は白紙」の立場で3選を目指し圧勝したが、ここに来て、なぜ誘致に転じたのか。

 林文子氏、73歳。東京都立青山高校を卒業後、東洋レーヨン(現東レ)入社。その後、BMW東京社長、ダイエー会長、東京日産自動車販売社長などを歴任、09年9月に横浜市長に華麗な転出を図り、話題となった。待機児童が全国ワースト1位だった横浜市を、市長就任1年余で「待機児童ゼロ」にした実績もある。

 それはともかく、林市長がカジノ誘致にかじを切った理由は何だったのか。

 超高齢化や人口減で厳しさが増す横浜市の財政事情から、IR誘致が地域経済や観光の振興を通じて税収増につながるというのが公式見解である。事実、地元の商工会議所を始めとする各経済団体は歓迎している。

 一方、カジノはギャンブル依存症などへの懸念から市民の間では反対の声が根強い。その反対運動の頂点に立つのが、「ハマのドン」と言われる藤木幸夫・藤木企業会長(89)である。

 横浜港運協会会長を務める藤木氏は、かつてIR誘致の先頭に立っていたが、今や「誘致したければ、オレを殺してからにしろ!」と公言するほどの筋金入りの反対派だ。

 このような地元有力企業のトップであり、故小此木彦三郎元建設相ら政治家との太いパイプで知られた同氏への配慮が市当局の決断を阻んでいた。

 それが一転したのは、横浜選出の菅義偉官房長官が誘致にゴーサインを出したからだとされる。小此木氏の秘書経験が、菅氏の政治家としての原点であり、藤木氏もまた長年にわたる支援者でもあった。

 今や大官房長官である菅氏は、藤木氏との決別も辞さずの決断をしたというのだ。この決断が林市長の背中を押したのではないか。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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