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厚労省の「ブラック」提言書、心許ない若手職員の改善策 国家公務員も労基法対象にすべき

 厚生労働省の若手職員が、労働環境の改善などを提言したことが話題になった。同省を含め省庁の働き方を抜本的に変える施策はあるのだろうか。

 提言書には、執筆者の氏名が書かれていないが、内容は厚労省のウェブサイトに出ている。

 これを読むと、厚労省の労働実態に驚く人が多いのではないか。職員の4割超にハラスメント被害があり、加害者が昇進するというのは、悪徳ブラック会社顔負けだ。

 霞が関の中央官庁はどこも似たり寄ったりの実態だが、なかでも厚労省の労働環境が劣悪なのは事実のようだ。

 それをどのように改善するかが問題だ。提言書の改善策を読むと、長々と書いてあるが、要約すれば、現場での細かな努力と定員増というものだ。はっきりいえば、これでは中央省庁の政策立案としては心許ない。

 筆者が提言書を読んだ感想を正直にいえば、「御用」労働組合が当局と手を組んで出した文書のように感じた。

 役所でよくある「御用」審議会が役所応援団になって公表する報告書のようなものという印象だ。

 中央省庁の大きな仕事は、改善策として法改正・制度改正して国の大きな方向性を示すことだ。提言書には、そうした記述がほとんどなく、現場の細かな努力ばかりが書かれており、法改正を伴う制度改正は書かれていない。そうした現場の努力を大臣に提言しても意味ない。

 以下に述べるような厚労省に痛い内容が言及されていないので、御用労働組合の文書と筆者には思えるのだ。

 労働環境をまともにするためには、まず国家公務員に対しても労働基準法を適用することだ。現状では、国家公務員は原則として労基法の適用除外になっている。民間であれば、労働基準監督署が入り是正するようなひどい労働環境も放置されている。

 このため、法改正・制度改正として重要なのは、現在労基法の適用除外とされている国家公務員を適用対象とすることだ。

 しかも、労基法の所管は厚労省であり、自らが行いうるもので、これこそ大臣に進言すべきものだ。

 働き方改革を提唱し、労基法により民間企業を指導している立場の厚労省自身が労基法の適用除外で「ブラック」とは、シャレにならない。ちなみに、地方公務員は原則として労基法の対象になっている。

 次に、厚労省が忙しいのはその通りだが、例えば待機児童問題など、同省が抱えている問題のいくつかは、本質的には地方政府の問題だ。中央省庁である厚労省はそれらの地方問題を抱えすぎて忙しくなっているという面もある。

 国会でそうした地方の問題について厚労省が質問を受けた場合、答弁作成のため実情を地方に問い合わせるのだが、これこそ無駄な作業だ。

 地方の問題は、国会でなく地方議会でやってもらいたいと答弁することを大臣に進言するのも一案だろう。

 地方の問題は、地方政府に任せて、厚労省は中央政府としての仕事に集中する必要がある。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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