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《zak女の雄叫び お題は「良かったこと」》16歳の少女にメディア狂騒

 世界各国から集まった数百人のメディアが一人の少女の到着を待ち続けた。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)が先月28日、国連の会議に出席するため英国からヨットで大西洋を横断し、ニューヨークの港に到着したのだ。

 環境活動家として類を見ない世界的な注目を集めるグレタさん。1年前、学校を休んで議会に積極的な地球温暖化の対策を求める抗議活動「学校ストライキ」を始めて一躍有名に。「学校に行きたくても行けない子供たちがいる」「温暖化問題への知識が乏しい」…。学校ストをめぐってはさまざまな批判は上がったが、気候変動に関心のある若者の間で広まり、世界中に拡大した。

 そして今回、温暖化対策をアピールするため、「炭素排出量ゼロ」というヨットで2週間の旅を続けたグレタさん。ニューヨークの港では、メディアの熱狂ぶりは想像以上だった。

 米メディアのほか、南米や欧州メディアの姿も。もちろん日本のマスコミも勢ぞろい。隣にいたスウェーデンのテレビクルーは「朝7時から待っている」という意気込みようで、撮影の邪魔をするな、とプレッシャーの掛け合いが始まった。グレタさんが到着したのは結局、午後4時過ぎ。カメラとカメラのわずかな隙間から、グレタさんの到着の様子が撮れたときは、ほっとした。

 上陸直後、港付近で行われた記者会見では、緊張した様子で「まだ地面が揺れている」「ヨットの旅は驚くほど良かった。船酔いは一度もしなかった」とあどけなさを見せたが、「地球温暖化と環境問題は、人類が直面する最も大きな世界的な危機でもある。意見の相違があったとしても、ともに協力して取り組まなければ、私たちは失敗してしまう」と訴えた。

 また、地球温暖化対策に後ろ向きなトランプ大統領へのメッセージを聞かれると、「いつも同じ質問を受ける。科学者の言うことを聞いて、ただそれだけです」。「誰もが気候危機の緊急性について彼を説得できないというのに、なぜ私ができるというのでしょうか」と率直に述べたのが印象的だった。

 活動に賛否はあれど、環境問題を世界に喚起することを目的に行動しているという彼女の狙いは、十分すぎるほど成功している。「大人にはこれ以上任せていられない」と自ら発信する姿勢は、昨年2月のフロリダ州の高校銃乱射事件で銃規制に向けて動く生存者の10代たちと同じものだ。

 ニューヨーク到着から1週間が過ぎたが、行く先々でメディアや支持者に囲まれるグレタさん。9月下旬から始まる国連総会では気候変動に関するサミットが開かれ、今回の総会の“主役”とも位置づけられている。1990年代後半から2000年代にかけて生まれた「ジェネレーションZ(Z世代)」が巻き起こす社会現象は、世界の潮流の1つとなっている。(M)

 米社会の問題、ニューヨークの町のこと、何でも取材中。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。9月のお題は「良かったこと」です。

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