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里見香奈“女流初”の六冠! 全冠制覇へ着々 ヒューリック杯清麗戦

 里見香奈女流五冠と甲斐智美女流五段で戦われた、第1期「ヒューリック杯清麗戦」決勝五番勝負は、東京・お台場の「グランドニッコー東京台場」から始まった。

 前夜祭は各界から100人近い人が出席し、新しい棋戦の門出を祝うかのような、華やかかつ和やかな会だった。もっとも対局者にとっては、前夜祭から戦いは始まっていたとは思うが。

 これまで2人のタイトル戦の対戦成績は、里見の3勝2敗。最初は2012年で、甲斐の持つ女流王位に里見女流三冠が挑戦し、奪取。その後、女流王位戦と倉敷藤花で甲斐が勝利したものの、2015年からその両方を里見が取り返した。

 そのあたりから、甲斐は里見を苦手にしていたが、この清麗戦の予選では唯一、里見に黒星をつけ、意気揚々と五番勝負に臨んだはずだったが。

 第1局は里見が菅井(七段)流とも言うべき、3四金型の三間飛車から力強くさばき、終盤は一瞬の切れ味を見せて快勝した。

 第2局の、相振り飛車同型将棋という珍しい戦形を勝ち切った里見は、勢いのまま第3局の金沢対局も中飛車で勝ち切り、3連勝で清麗戦を制した。

 優勝賞金は700万円で、女流初の六冠となった。

 里見にとって残るタイトルは、西山朋佳女王の持つ、マイナビ女子オープンだけだが、これはこの春、里見が挑戦して退けられたタイトルだ。

 里見が全冠制覇するには、この秋戦われる霧島酒造杯女流王将戦、倉敷藤花とリコー杯女流王座戦、そして来年の新春から始まる女流名人戦の4つを防衛し、春からのマイナビ女子オープンの挑戦者となって、奪取するという、かなり厳しい条件をクリアせねばならない。

 西山にすれば、唯一のタイトルを簡単に手放す訳にはいかないだろうし、そもそも里見と同じ奨励会三段リーグ経験者(西山は現役)なのに、里見にだけタイトルが集まる現状に納得はできないはずだ。

 ともあれ、里見の全冠制覇になるかは、四冠時代に清水市代女流六段がなし得て以来、タイトルが増えてからは誰も到達できていないので、話題になること必至である。

 ■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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