zakzak

記事詳細

進次郎氏“菅政権”で中核メンバーに!? 「入閣」演出した菅氏の思惑は…

 第4次安倍晋三再改造内閣が発足した。政権の骨格は変えなかったが、小泉進次郎氏をはじめ13人もの初入閣組を起用したのは、「ポスト安倍」もにらんで、斬新さをアピールする狙いがあったのではないか。

 目玉はもちろん進次郎氏である。安倍首相は当初、政権に距離を置いていた進次郎氏の起用を避けるのではないか、とみられていたが、最終的には環境相で抜擢(ばってき)した。

 進次郎氏初入閣のサプライズを舞台裏で演出したのは、菅義偉官房長官である。誰もが知るとおり、進次郎氏が、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんとの婚約を政界で真っ先に報告したのは、菅氏だった。2人で首相官邸に出かけ、そのまま官邸ロビーで即席会見した。

 菅氏はその際、進次郎氏に「総理もいるから、会っていったら」と声をかけ、安倍首相との面会が実現した。これは、かねて進次郎氏と、安倍首相の溝を埋めるのに心を砕いていた菅氏ならではの「配慮が為せる技」だった。

 進次郎氏は昨年の自民党総裁選で石破茂元幹事長を支持し、選挙戦では「国民の間に政権への飽きが出ている」と語っていた。政策論議ならともかく、こう言われたら、安倍首相がカチンとくるのも当然だ。

 だが、菅氏は進次郎氏を評価していた。選挙区が同じ神奈川県というだけでなく、私の取材にも「進次郎氏は独特の政策観がある」と語っていた。本人は否定しているが、いまや菅氏は「『ポスト安倍』候補の一番手」である。菅氏とすれば、将来をにらんで「進次郎カード」を大事にしたい思惑もあるだろう。

 そこで婚約報告の機会をとらえて、安倍首相と進次郎氏の関係修復に動いた。それが初入閣の伏線になったのだ。

 首相官邸での婚約発表には、批判もある。だが、人生一番の祝い事に首相が祝意を述べないわけにはいかない。

 菅氏は「オレもカンが悪いな。2人の顔を見るまで(婚約に)気付かなかった」と語っているが、そこはご愛嬌(あいきょう)ではないか。入閣ももちろん菅氏の進言に違いない。

 さて、こうなると、進次郎氏はこれから菅氏を頼って仕事をする。私は「『ポスト安倍』は菅氏で決まり」とみているが、進次郎氏はいずれ、「菅政権の中核メンバー」として働くようになるのではないか。それなら、菅氏を支援するはずの安倍首相にとっても、悪い話ではない。安倍首相の苦笑いが見えてくるようだ。

 外相に転じた茂木敏充氏、厚労相に復帰した加藤勝信氏、文科相の萩生田光一氏、経済再生相の西村康稔氏など、これまで安倍首相を支えてきた主要メンバーもこぞって入閣した。麻生太郎副総理兼財務相や、二階俊博自民党幹事長は言うに及ばず、いかにも「安倍政権の総仕上げ」にふさわしい顔ぶれである。

 米中新冷戦に日韓対立、ホルムズ海峡、香港デモ、英国の欧州連合(EU)離脱問題と、日本を取り巻く環境は厳しくなる一方だ。それに消費増税も控えている。新閣僚が入閣を喜んでいる暇はない。祝賀パーティーなど当分、先送りだろう。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

関連ニュース

アクセスランキング