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“孤高のトランプ大統領”今や耳を傾ける側近は… 「親愛なる大統領閣下…」怒りの辞表提出しボルトン氏辞任

 ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が更迭されたのも、「トランプ劇場」の出し物であった。手元に、ボルトン氏がドナルド・トランプ大統領に提出した辞表のコピーがある。

 《2019年9月10日 親愛なる大統領閣下 私は速やかに国家安全保障担当大統領補佐官の職を辞任いたします。国家に奉仕する機会を与えてくださったことに感謝します。敬具 ジョンB.ボルトン》

 これが全文だ。これほど短い辞表は前例がない。にじみ出るボルトン氏の憤りが感じられる。

 トランプ氏が5月下旬から6月初めにかけて緊迫したイラン情勢の沈静化を模索したことがあった。

 当時、ボルトン氏が強く武力介入を主張し、トランプ氏は保守系FOXテレビのコメンテーター、ダグラス・マクレガー氏(退役陸軍大佐)の助言を受け入れて、対イラン強硬策を退けた。

 それまでにも、ボルトン氏は「アフガンからの米軍撤退」や「対北朝鮮融和政策」に強く反対するなど、トランプ氏に“刃向かう”ただ一人のトランプ政権高官であった。

 そのころから、ボルトン氏更迭説はワシントンの政界雀の間でささやかれていた。だが、これほど早いとは誰もが予想していなかった。

 今やトランプ氏が耳を傾ける側近は、マイク・ペンス副大統領、娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問、ミック・マルバニー大統領首席補佐官代行(兼行政管理予算局長)、マイク・ポンペオ国務長官だけとなった。

 信を置く側近が少ないトランプ氏は「孤高の人」である。

 それだけに、国家安全保障会議(NSC)事務局長でもある大統領補佐官の後任に誰が就くのかを、いま米メディアが熾烈(しれつ)なスクープ合戦を展開する理由である。

 有力候補は8人。(1)ブライアン・フック国務省イラン担当特別代表(2)リチャード・グレネル駐独大使(3)ピーター・ホクストラ駐オランダ大使(4)スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮担当特別代表(5)キース・ケロッグ副大統領安全保障担当補佐官(退役陸軍中将)(6)リッキー・ワデル前大統領次席補佐官(退役陸軍少将)(7)トム・コットン共和党上院議員(イラク、アフガン戦争従軍)(8)先述のマクレガー氏-。

 杉山晋輔駐米大使の知己であるケロッグ氏が起用されれば、一部で不安視する警察出身の北村滋国家安全保障局長だが、ハッピーに違いない。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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