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哀愁感じる宣伝スタイル 「サンドウィッチマン」(昭和23年)

 最近の「好きな芸人ランキング」で首位を独走中なのが、仙台出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」である。彼らの芸名のもとになっているのがこのことばだ。

 おなかと背の両方に宣伝文句の書かれた板をぶら下げ、まるで人間が具になったサンドウィッチのような格好で街角に立つ。こんな宣伝スタイルがこの年の秋頃から発生した。特別な許可もいらず設置の手間のない簡単な広告手段として、ずいぶんと長い間使用されていた。昭和の末期でもパチンコ店の開店などで、鐘や太鼓を伴った「ちんどんスタイル」で街角を練り歩く姿をしばしば目にした。

 この年の主な事件は、「帝国銀行椎名町支店で、行員12人が毒殺され、現金が強奪される事件が発生(帝銀事件)」「片山哲内閣総辞職。芦田均内閣成立」「新制高等学校・大学発足。6・3・3・4制確立」「夏時刻を一時間進めるサマータイム開始」「太宰治、玉川上水で入水自殺」「収賄容疑で昭和電工社長逮捕(昭電疑獄)」「警視庁、110番設置」「極東国際軍事裁判所、戦犯25被告に有罪判決。東条英機ら7人の絞首刑執行」など。

 この年の映画は『酔いどれ天使』、『美女と野獣』(洋画)。本は太宰治の『人間失格』、『菊と刀』(ルース・ベネディクト著、長谷川松治訳)。日本脳炎の大流行があった。

 「サンドウィッチマン」はやけに哀愁がある。人間がやらなくていいことをわざわざ人間がやった。そんな当時の体制というか「心意気」みたいなものが、AIに人間が脅かされているこの時代に響いてくる。人ができることは(なるべく)人がやった。AIでできることは(全部)AIにやらせる。このふたつの違いは、科学や文明の差以上に大きいのだ。=敬称略 (中丸謙一朗)

 〈昭和23(1948)年の流行歌〉 「懐しのブルース」(高峰三枝子)「湯の町エレジー」(近江俊郎)「東京ブギウギ」(笠置シヅ子)

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