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NHKvs日本郵政の実態は…“似たもの同士”の序列争い! 両方とも完全民営化しては?

 NHKが、かんぽ生命保険の不正契約について報じたところ、日本郵政側から抗議を受けて続編の放送を取りやめたとして、「圧力に屈した」と批判された。一方で総務省事務次官出身の日本郵政副社長が、NHKの取材手法を「まるで暴力団」と発言したことも話題になっている。

 NHKは、放送法に基づき設立された特殊法人であり、所管省庁は総務省である。法人内組織の最上位は経営委員会で、その下に会長ら理事がいる。つまり、NHKでは経営委員会委員長がCEO(最高経営責任者)で、会長はCOO(最高執行責任者)に相当する。

 経営委員の任命には国会の承認が必要だ。ただし、経営委員や会長ら理事に天下り官僚はいない。

 日本郵政は、日本郵政株式会社法に基づき設立された特殊会社で、所管官庁は総務省だ。政府は3分の1以上の大株主なので、社長などの役員人事に事実上、影響力を持つ。今回話題になった鈴木康雄副社長は総務次官出身だ。

 NHKも日本郵政も、法的には似たようなもので、ともに特殊会社だ。

 ただし、NHKは税金が直入されて国が直営する国営会社ではなく、受信料収入による公共放送で、総務省からの天下りは経営幹部にいない。

 一方、日本郵政をマスコミは「民営化」会社と扱っているものの、歴史的には13年ほど前まで総務省の一部であったことや天下り官僚がいることから、日本郵政のほうがNHKよりも政府(総務省)に近い感じだ。

 もっとも、NHKは法人税の納税義務が免除されているが、日本郵政は法人税を払うので、この点を見ると、NHKのほうが日本郵政よりも政府に近い。

 NHKの現場職員にとっては、総務次官出身の郵政副社長に「上から目線」で言われたら、圧力だと条件反射してもおかしくない。

 一方、鈴木副社長としては、かつて所管官庁の事務方トップだった感覚のまま、NHKを「指導」したようにみえる。

 事務次官経験者とはいえ、企業経営に携わっていたわけではないので、こうした問題に存在意義を見いだして、強硬な行動に出たのだろうか。もし日本郵政の副社長が民間人だったら、ここまでNHKを見下したようなことはしなかったのではないか。

 いずれにしても、現時点では、NHKも日本郵政も、総務省所管の特殊法人であり、似たような存在で、端から見ると、どっちがより上位なのかというつまらない争いだ。

 もし、日本郵政が完全に民営化していれば、こうした事態は起こっていただろうか。また、NHKが民間放送だったら、“監督官庁風”を吹かせたところで、軽くあしらっていただろう。

 NHKも日本郵政も官庁ではないが、どこか序列を重んじる組織で、その中の争いにしか見えない。いっそのこと、これを機会に両組織とも完全に民営化したらどうだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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