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欧州「凍結」の様相 国境封鎖、店舗営業禁止…移動制限相次ぐ

 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、フランス、スペイン両国は14日、食糧や薬品など生活必需品を除く店舗の営業禁止を発表した。ドイツは15日、フランスなど隣国との国境封鎖を決めた。感染者が4万人を超えた欧州は移動制限の動きが相次ぎ、「凍結」の様相を呈している。

 ■選挙投票率20ポイント低下

 フランスでは15日から営業禁止措置を実施した。対象は飲食店や映画館、劇場などの集客施設。フィリップ首相は期限は設けず、「政府の指示があるまで」とした。食料品店や銀行、薬局、ガソリンスタンドについては営業を認める。

 フィリップ氏は「家族や友人の集まりは最小限に。公共交通による移動も、通勤など必要な場合にとどめてほしい」と訴えた。15日には統一地方選が予定通り行われたが、投票率は45%前後で、2014年の前回選挙を約20ポイント下回った。

 スペインではサンチェス首相が14日、非常事態宣言に基づく営業禁止を発表した。期間は15日間だが、延長できる。国民の外出自粛を促すため、鉄道の運行は通常の半分に減便された。マドリードなど大都市では、警備のため軍隊が出動した。

 営業禁止は先週、イタリアが最初に実施を発表。ベルギーやリトアニア、オランダも追随した。

 ■入国禁止も相次ぐ

 ドイツのゼーホーファー内相は15日、フランスやスイス、オーストリアなどとの国境を封鎖すると発表した。通勤者の移動や貨物輸送は例外として認める。

 ドイツは欧州で「移動の自由」を定めたシェンゲン協定を維持すべきとの立場だったが、国内の感染者が4千人を超える中、世論に押される形で方針修正を迫られた。

 EUではオーストリアが先週、イタリアからの入国を原則禁止すると発表。ポーランドやリトアニア、エストニアは、外国人の入国差し止めを決めている。

 フォンデアライエン欧州委員長は15日、国境管理について欧州委が近くガイドラインを示すと表明した。委員長は「国境でバスやトラックが何千台も行列すると物流が妨げられる。健康上のリスクも招く」述べ、加盟国がバラバラに動くことに懸念を示した。

 ■感染拡大、止まらず

 イタリア政府の15日の発表では、新型コロナウイルスの感染者は2万4747人となり、前日より3千人以上増加した。

 スペインでは7798人。フランスでは5400人で、いずれも感染拡大に歯止めがかかっていない。感染による死者は、EU内で2千人を超えた。

 欧州委員会は16日、感染検査キット、人工呼吸器など医療品のEU共同調達を開始する方針。これまでドイツやフランスは国内供給を優先し、共同調達に否定的だったが、協調に応じた。フォンデアライエン氏は15日の演説で、「イタリアは大量の医療品を早急に必要としている」と述べ、支援の必要性を訴えた。

 イタリアでは、EUの支援が届かないことに不満が強く、同国の駐EU大使は欧州メディアへの寄稿で「EU各国に医療品支援を求めたが、応じる国は皆無だった。助けてくれたのは中国だけだ」と述べた。 

 15日にはローマ教皇フランシスコが予告なしにローマを徒歩で訪れ、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂で感染終息のために、祈りをささげた。(産経新聞)

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