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韓国・文大統領、新型コロナ対策で“票買収”!? かつて猛批判していた“バラマキ”に飛びつき… (1/2ページ)

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領率いる韓国は、中国発の新型コロナウイルスの爆発的拡大で、感染者8320人、死者82人(17日午前0時現在)という甚大な被害を受けている。世界経済が「恐慌」に近づくなか、輸出依存度の高い韓国経済は「2008年の世界金融危機より深刻」という惨状だ。国会議員選挙(4月15日投開票)を前に、「親中」の文政権に逆風が吹くなか、与党周辺から国民に現金を支給する「災害基本所得」構想が浮上した。かつて、文氏が猛批判していたバラマキ政策だが、背に腹は代えられず、飛び付くのか。ジャーナリストの室谷克実氏が迫った。

 韓国の与党サイドから、「災難基本所得」という耳慣れない言葉が飛び出してきた。新型コロナウイルスの感染者拡大に伴う経済活動の低下に歯止めを掛け、消費を盛り上げるため、全国民に一律100万ウォン(約8万5500円)を支給しようというのだ。

 新型コロナウイルスにより狂ってしまった選挙戦略を、新型コロナウイルス被害を逆手に取って、ゲンナマ支給で立て直そうという究極の「公費バラマキによる票買収作戦」ではないのか。

 実現には、50兆ウォン(約4兆2840億円)の財源が必要になる。赤字国債の発行による財源確保なら、その後は甚大な副作用に悩まされることとなるだろう。

 すでに韓国南西部の全州(チョンジュ)市が13日、失業者や非正規職などの脆弱(ぜいじゃく)階層5万人に1人当たり52万7000ウォン(約4万5000円)を、地元銀行のデビットカード(決済用カード)で支給することを盛り込んだ補正予算を可決している。

 これに刺激された面もあるようだ。「文在寅後継」を狙う朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事がそろって「災難基本所得」支給を言い始めた。

 ソウル市長は、感染拡大の原因となった新興宗教「新天地」の教組や幹部を殺人罪で告発した。京畿道知事は「教祖が感染していないかどうかを調べるのは行政の仕事だ」として、警官と保健所職員を引き連れて新天地の宗教施設に乗り込んだ。

 次期大統領を目指して、スタンドプレーが大好きな2人だが、「災難基本所得」は彼らの言葉だけで終わらない可能性が強い。

 なぜなら、文大統領が「前例のない対策」を指示しているからだ。「前例のない」を手掛かりにすれば、浮上するのは新型コロナウイルスを「天災」と位置付けて実施する「災難基本所得」の補填(ほてん)策ということになる。

 「ムンッパ」と呼ばれる熱狂的な文支持派、それとダブルだろうが過激派労組の連合体である民主労総は「大企業の内部留保を財源にすればいい」と主張している。

 しかし、企業の内部留保を吐き出させる根拠を立法化することなど、文政権が共産主義国家をつくらない限り困難だ。

 結局のところ、全州市の措置を若干拡大したゲンナマ配布になるのではないか。それなら、野党も「脆弱階層の困窮救済に反対するのか」との非難を浴びるのは大負担になるから、反対しづらい。だが、それが実現したら、まさに「政権による、政権のための、公費による票買収」だ。

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