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武漢、新規感染「ゼロ」も不信と不安 封鎖からもうすぐ2カ月

 【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は19日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染源となった湖北省武漢市で、18日に新たな感染者が確認されなかったと発表した。1月23日に同市で封鎖措置が始まって以降、1日当たりの感染者が0人になったのは初めて。湖北省全体でも新たな感染者が確認されなかった。まもなく封鎖から2カ月を迎えるが、住民の間では当局への不信や不満、不安がくすぶる。

 「大半の人が半信半疑の受け止めだと思う」

 IT関連企業で勤務する武漢在住の30代の女性は通信アプリを通じた産経新聞の取材に対し、新規感染者が「ゼロ」になったことへの感想をこう語った。市内では感染を疑われる人が病院に行っても、検査で感染が確認されないようになったという。女性は「感染確定の標準に再び変化が起きたと感じる」と強調した。過去に感染確定の診断基準改定により、感染者数の増減が起きてきたことも市民に不信を抱かせている。

 また、現在も特効薬はなく対症療法が中心で、退院後に再発するケースも少なくない。両親が感染したという武漢在住の20代の女性は「確かに多くの人が既に退院しているけれども、病気が完全に治ったわけではないので心配が残る」と不安な心境を語った。

 一方、当局は感染者数の減少を錦の御旗に掲げ、景気悪化を防ぐため企業の操業再開を進めるものとみられる。今月10日には習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が武漢を現地視察し、湖北省について「一日も早く全面的に正常な軌道に入らなければならない」と強調。国営中央テレビでは、全国から派遣されていた医療チームが順次、同省を離れる様子が報じられ、正常化へ向かっていることがアピールされている。

 武漢では、鉄道駅や空港、公共交通機関を停止する封鎖措置が今も続き、外出を制限された市民の心労は大きい。武漢のIT企業の女性は「この2カ月、皆がとても我慢し困難を克服した」と話す。経済活動の停止状態が続き、生活が苦しくなっている実態もある。女性は「私が住んでいる地域では『もうお金がなくなる。野菜を買えない』と多くの人が話すのを耳にする」と市民の不満を打ち明ける。(産経新聞)

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