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トランプ米政権“禁じ手”で世界経済急ブレーキ!? 新型コロナ封じ込めに「全米渡航禁止」「即時帰国」

 トランプ米政権が新型コロナウイルスを封じ込めるため、究極のカードを切った。日本を含む全世界の渡航警戒レベルを最高レベルの「渡航してはいけない」に引き上げ、米国人の全ての渡航中止を勧告した。国外にいる米国人の即時帰国も要請。米国内の感染者数が1万人を超える中、苦渋の決断となった。ただ、渡航禁止は世界経済を牽引(けんいん)する米国の動きを止める“禁じ手”でもあり、地球規模で冷え込む景気にさらに打撃となる危険性もはらむ。

 米国務省は19日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、すべての国・地域への渡航警戒レベルを4段階で最も高い「渡航中止・退避勧告」(レベル4)に引き上げた。ツイッターへの投稿で発表した。

 国外に在住・滞在する米国人については、帰国手段があるのであれば即座に帰国するように求めた。米国はすでに世界的な警戒レベルを「渡航の再考」を求めるレベル3に引き上げていたが、感染の封じ込めにはさらに厳格な措置が必要だと判断した。

 米国の渡航警戒レベルは、米国務省は国民の渡航に関し、世界全体や国・地域別に安全情報を出しており、4段階のレベルに分けられている。19日の勧告は世界全体が対象で、国・地域別に優先する。一番下のレベル1が「通常の注意」、2は「注意を強化」、3が「渡航を再考」、最も厳しい4は「渡航中止・退避勧告」となっている。

 米国の動きは急を告げている。トランプ大統領は13日に国家非常事態を宣言。米政府は16日、国民向けの15日間の行動指針を発表し、10人を超える集まりや、レストラン、バーでの外食の自粛を求めている。一部の地域では外出禁止などの措置を取っている。

 ビザ(査証)発給業務の一時停止など外国人の入国も厳しく制限。中国やイラン、欧州からの入国を禁止したほか、陸路での入国も制限する方針を示している。

 一方、全米での感染者が1万人を超えたことに対し、米国防総省は感染拡大に対応するために、27州で計2050人の州兵が動員されていると明らかにした。米国では感染者の増加ペースが上がっている。米政府が検査態勢拡充を図っていることもあり、同省は今後、州兵動員が「数万人規模」に上るとの見通しを示した。

 トランプ大統領の今回の決断は、世界経済に急ブレーキをかける恐れもある。国連のグテレス事務総長は19日、ビデオ回線を通じて記者会見し、「世界的な景気後退はほぼ確実だ。恐らく記録的な規模になる」と懸念を示した。

 「国連75年の歴史にない地球規模の衛生危機に直面している」とも指摘。「現在の国レベルの対策では、地球規模かつ複雑なこの危機に対応できない」と強調し、トランプ大統領の渡航制限にも理解を示した。

 ■円売り加速 NY外為一時1ドル=110円95銭

 19日のニューヨーク外国為替市場の円相場は円売りの流れが続き、一時1ドル=110円95銭をつけた。約1カ月ぶりの円安ドル高水準。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業の資金繰り懸念で、基軸通貨ドルの需要が高まり、ドル買い円売りが進んだ。

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