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新型コロナで中国政府批判の企業家・活動家が相次ぎ消息不明

 「中国共産党指導部が新型コロナウイルスの感染拡大の情報を隠蔽した」などと批判していた中国の著名な企業家や人権活動家、市民ジャーナリストらが相次いで消息を絶っていることが分かった。

 彼らはいずれも感染の状況や当局の対応などの実態をSNS上に投稿しており、これを見た市民がパニック状態になり、中国政府への批判が強まることを恐れた当局によって身柄を拘束されているという。香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』や『明報』など香港メディアが報じた。

 企業家は大手不動産開発会社トップを務めた任志強氏(68)で、「物言う企業家」として歯に衣着せぬ発言から「任大砲」、「中国のトランプ」と呼ばれている。

 習近平国家主席は2016年2月、中国国営の中国中央テレビ局や新華社通信、党機関紙『人民日報』を視察した後、報道世論工作座談会を開催。その場で「党・政府が管轄するメディアは宣伝の陣地であり、党を代弁しなければならない」と述べて、報道機関の党への忠誠を指示したことがあった。これに対して任氏は「微博(ウェイボ)」上で「『人民政府』はいつ、党の政府に変わったのか。メディアが人民の利益を代表しなくなる時、人民は隅に追いやられ、忘れ去られる」などと舌鋒鋭く習氏を批判した。

 最近の新型コロナウイルス感染についての当局の対応についても、「おざなりで、権威主義」「感染の抑え込みに成功したとして習氏が自らの権力を強めようとしている」などと批判していた。そんな中、任氏の知人は「任氏は3月12日ごろから姿が見えなくなった」と語っているという。

 また、市民の政治参加や社会改革を訴える「新公民運動」を呼びかけた人権活動家の許志永氏も最近、インターネット上で発表した文章でウイルスについて「政府が真相を封殺し、公開を遅らせたことが、ウイルスの流行を招き国に災いをもたらした」と指摘するなど政府の対応を批判し、習氏の退任を求めていた。許氏は滞在先の広東省の友人宅で警官によって身柄を拘束され連行されていったという。

 一方、「市民ジャーナリスト」と名乗りSNS上に動画を投稿していた陳秋実氏も2月6日を最後に発信が途絶えている。陳氏は1月下旬から「武漢の状況を正しく伝えないといけない」として、北京から現地入りし、病院内で多数の感染者の遺体を撮影するなど、現地の惨状を伝えていた。

 中国情勢に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は「習近平氏が最高指導者に就任後、中国では市民運動への締め付けやメディアへの報道規制、体制批判を強める知識人への弾圧が一層激しさを増していた。今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、党指導部への批判の強まりを恐れた当局が任氏らの口封じに動いたのではないか」と指摘している。

NEWSポストセブン

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