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【国家の流儀】マスク不足、最大の要因は「中国依存」 中国産マスクなくして医療成り立たず…恐ろしい状況

 マスク不足が続いている。

 たかがマスクなのだが、そのマスクの物量がいまや、新型コロナウイルスによる新型肺炎(COVID19=中国肺炎)の感染拡大防止の「カギ」となっている。3月19日に開催された自民党「経済成長戦略本部・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部」合同会議でも、最初に議論されたのは「需要供給両面からの総合的なマスク対策」であった。

 何しろ、新型コロナウイルスの感染防止には、マスクの着用が重要なのだ。だが、そのマスクが店頭から消え、ネットで高額転売をされて国民の怒りを買った。

 より深刻なのは医療現場だ。病院や介護施設には免疫力が弱い人や病人がやってくる。院内感染を防ぎ、患者や利用者を受け入れるためには医療従事者用のマスクが必須なのだが、そのマスクが圧倒的に不足していて、患者や利用者を受け入れることができなくなってきている。

 なぜ、マスクが不足しているのか。理由は大別して3つある。

 第1に、新型コロナウイルスの流行に伴って需要が急激に高まったことだ。

 第2に、医療機関用に地方自治体はマスクを備蓄していたのに1月末から2月初旬にかけて、兵庫県の100万枚を筆頭に名古屋市10万枚、広島県や川崎市が8万枚など、多くの自治体がマスクを中国に送ってしまったからだ(=このため2月25日以降、日本政府は各省庁保有マスク250万枚を、地方自治体を通じて全国の医療機関に配布した)。

 第3に、これが最大の要因だが、マスクの供給を中国に依存していたことだ。医療用マスクを含む国内の年間需要は約13億枚で、月1億枚強だが、その大半は中国からの輸入に頼っていた。

 今回の事態を受けて、政府は1月28日、国内メーカーに増産を要請した結果、国内の生産量は月2000万枚に増えたが、中国からの輸入が停滞してしまったため、月8000万枚以上足りない計算だ。

 疫病の蔓延(まんえん)や大災害など緊急事態となれば、医療現場に患者が殺到することになる。その医療が中国産のマスクなくして成り立たないという恐ろしい状況が明らかになったのだ。

 実は、米国もマスクを含む医薬品を中国からの輸入に依存している。そこで、ドナルド・トランプ大統領は「非常事態宣言」を発した3月13日、医薬品メーカー各社のトップをホワイトハウスに招き、検査キットと医薬品の開発と国内生産を支援すべく500億ドル(約5兆5000億円)を投じることを明らかにした。

 マスクを含む医薬品の生産を中国に依存するのはまずい。米国内に生産拠点を戻そう-。トランプ氏はこう呼びかけ、5兆円以上の予算を投じる。

 日本も早く、対中マスク依存を是正する方針を打ち出し、生産拠点を国内に戻すための予算措置を講じるべきではないか。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障や、インテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞した。他の著書に『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』(PHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』(扶桑社)など多数。

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