【日本の解き方】有事対応に不安残る岸田氏 総裁選“3番手”なら党内生命危機 党内で人望に欠ける石破氏 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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有事対応に不安残る岸田氏 総裁選“3番手”なら党内生命危機 党内で人望に欠ける石破氏

 自民党総裁選では、菅義偉官房長官が圧倒的に優位とみられているが、岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長の戦い方が、両氏の政界での今後にどのように影響するだろうか。

 岸田氏はなぜ劣勢なのか。安倍晋三首相は岸田氏を後継の1番手として考えていたはずだ。政調会長という党要職で処遇したのもそのためだろう。コロナ危機に際してうまく政策を打ち出せば、世間からも脚光を浴びるはずだった。しかし、特別定額給付金問題でミソをつけた。

 世間の求めは「一刻も早く」だった。しかし、岸田氏の回答は、時間がかかる事前所得制限ありの30万円だった。30万円という大きな金額に見せておきながら、予算額は4兆円に過ぎなかった。

 一方、早く実施できる所得制限なしで一律10万円では、予算額は13兆円となった。

 所得制限ありの30万円はケチりたい財務省からの入れ知恵と思われるが、景気下支え効果が弱いという批判が出て、安倍首相はあっさりと一律10万円、予算総額13兆円とちゃぶ台返しをした。

 大宏池会の先輩、麻生太郎副総理兼財務相の「岸田は“平時”でしか通じねえよ」との発言はこの間の様子を物語っている。姻戚関係に財務省官僚が多く、財務省に取り込まれているように見えるのでは、有事の危機対応には不向きだと思われてもおかしくない。

 石破氏はどうだろうか。苦しい時に自民党を離党し、勢いが回復すると戻ってくるというのでは、自民党内で大きな支持は得にくく、総裁選では痛い。安倍政権でも幹事長で優遇されたのに入閣要請を断るなど、肝心の時に汗を流さないのでは、党内に人望が生まれない。党内より外で国民的人気があるのなら、新党を結成して、自民党と対峙(たいじ)したほうがいいと言われるありさまだ。

 総裁選では菅氏が圧勝する可能性が高いが、岸田氏と石破氏のどちらが2番手で、どれだけ票を取るのかが残された問題だ。これは、3番手になると自民党内の政治生命さえ危うくなる可能性もあるという意味でもある。

 特に、石破氏は派閥が19人と少なく、総裁選では推薦人の20人を集めるのも一苦労だった。今回も他派閥からの切り崩しもあったが、20人を確保したのはさすがだ。

 ただ、石破氏は地方に人気があるというのは昔の話ではないか。たしかに、2012年9月の総裁選時の党員投票では安倍首相を上回ったが、前回18年9月では完敗している。

 総裁選で菅氏は、自民党国会議員票の7割、地方票の6割を奪う勢いだ。世論調査でもトップに立っており、石破氏は今回も完敗する可能性がある。これは、国民的人気があるとされる「石破観」を崩すことになるかもしれない。

 もちろん、政治の一寸先は闇であり、勝負はげたを履くまで分からない。予測できないどんでん返しもありうる。

 14日の投開票まで、3氏で日本のためにとことん政策について議論をして、首相に直結する立派な自民党総裁を選出してもらいたい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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