【日本の解き方】アベノミクスが残したもの 雇用確保で歴代最高の成果、菅政権は減税と改革進めよ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

アベノミクスが残したもの 雇用確保で歴代最高の成果、菅政権は減税と改革進めよ

 16日の臨時国会で、菅義偉氏が新首相に正式に選出された。ここで、7年8カ月余り続いた安倍晋三政権の功績を振り返り、菅政権でさらに進めるべき課題について考えたい。

 安倍政権の功績は、(1)経済(2)安全保障(3)外交と分けられる。

 まず(1)では、顕著な雇用の確保を達成したことが挙げられる。筆者は、経済を評価するとき、雇用の確保ができれば60点の及第点をつける。さらに所得の向上があればいい。この評価基準は安倍政権に限らず、政権を経済面で評価するときには同じである。

 雇用の確保については、失業率の低下と就業者数の増加でみる。これらの統計数字をさかのぼることができる1953年以降、29の歴代政権において、失業率低下と就業者数の増加をみると、失業率低下で1位、就業者数増で2位という断トツの成果だ。失業率低下と就業者数増加を同時に達成できたのは、29政権中、10政権しかない。

 (2)では、安全保障法制を成立させ、日本の戦争確率を減少させることができたことだ。戦後に日米安保同盟を締結、延長させたのに匹敵する快挙だ。

 (3)では、日米同盟関係が史上最高に良くなった。日米首脳がゴルフ会談により多くの時間を割くなど、これまで考えることができただろうか。

 (1)の経済についてさらに細かく言えば、アベノミクスは、マクロ経済政策である緩和的金融政策と積極的財政政策、ミクロ政策の成長戦略から成り立っている。

 金融政策では完全雇用に近い状態を実現できたので、インフレ目標2%を達成できなくてもよかった。財政政策では2度の消費増税が余計なことで、これがなければ、さらに雇用の確保を達成したはずだ。

 成長戦略は正直いえば物足りなかった。加計学園問題という野党からの規制緩和を逆行させる動きもあって、途中で頓挫、後退もあった。

 まとめると、安倍政権は経済において、歴代政権の中でも良いパフォーマンスだったのは事実だが、さらに高いところも望めたのに、消費増税と規制緩和への取り組み不足があったということになる。

 この点で、菅政権はさらに進めるべき余地がある。

 菅政権は、「今後10年間は消費増税しない」と発言している。しかし、新型コロナウイルス対応では、消費の落ち込みが激しい。英国、ドイツでは時限的な消費減税もしているので、日本でも同様の措置がいい。

 安倍政権の規制緩和は、加計問題で足を引っ張られ、国家戦略特区は開店休業状態だ。規制改革も全く進展しなかったことの一端は、コロナ危機の際のデジタル分野の遅れで露呈した。

 そもそも加計問題で一部マスコミが報じた「不正」の証拠はない。いつまでも疑惑と報じるが、証拠が出てこないのは、「火のないところ」と推定すべきだ。

 菅政権で、省庁縦割りを排して規制改革を推進するのは、安倍政権でやり残した課題を解決する意味でもいい。安倍政権の良い点を継承し、やれなかった分野に注力すべきだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース

アクセスランキング

×