【有本香の以読制毒】菅新首相への注文 「安倍路線」の継承はアピールされているが…「鋼のメンタル」生かした外交安保ビジョン聞きたい (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【有本香の以読制毒】菅新首相への注文 「安倍路線」の継承はアピールされているが…「鋼のメンタル」生かした外交安保ビジョン聞きたい (1/2ページ)

 菅義偉首相が16日就任し、新政権がスタートを切った。閣僚人事や自民党四役の人事を見ると、期待するところもある一方、不安を覚えるところもある。特に、高齢の二階俊博氏の幹事長留任や、新型コロナウイルス対応の際、その発信姿勢に疑問符が付けられた加藤勝信氏の官房長官起用はいかがなものか。

 もう一つ、不安材料といえば、公明党との新連立政権樹立にあたっての合意文書から、これまであった「拉致問題」の解決という文言が消えたことだ。ここは改めて詳しい説明を望む。

 それでも、まずは国民の一人として新首相と政権にエールを送らせていただき、本稿で、「注文」をいくつか述べさせていただこう。

 その前に、新首相の初の記者会見について所感を記す。菅首相は官房長官時代と変わらず、淡々と話すべきことを話された印象で、まったく危なげがなかったが、むしろ記者たちの質問内容に「大丈夫か?」と思う場面があった。幹事社(=内閣記者会内で持ち回りで務める仕切り役)2社の記者が冒頭、代表して聞いたのは次の事柄だった。

 (1)解散総選挙について(2)新内閣の布陣の狙いは何か。ここまでは分かる。

 だが、3つ目の質問が始まって、脱力した。

 「安倍政権時代は、官邸主導の政策推進の一方で、国民や国会への説明不足、異論の排除、忖度(そんたく)といった体質が指摘され続けてきました…」

 ここまで聞いて、まさか、と思ったら案の定だった。

 「安倍政権下で明るみに出た、森友・加計問題、桜を見る会、河井克行・案里被告をめぐる選挙違反事件などについて追加的な検証を行わないという考えを…」

 やれやれ。まだ、モリカケ桜か。この国難の時に、記者たちの頭の中は一体どんなお花畑なのだ。

 彼らの周囲には、コロナ禍で失業・廃業を余儀なくされた人は皆無なのか。米中対立や中国の暴挙、不穏な朝鮮半島情勢に関心はないのか。唯一、「拉致問題を具体的にどうするのか」と迫ったのはマスメディアではなく、ニコニコ動画の記者だった。

 菅首相は、前政権時からの、こうした「メディアとの不毛なやり取り」をも引き継がねばならないのだ。私から見ると、これが最もお気の毒なことと思える。

 救いは、このくだらない質問を聞いている間も、菅首相がいつものポーカーフェースのまま書類に眼を落とし続け、質問が終わるや否や、安定の「さばき」を見せたことである。僭越(せんえつ)ながら、菅首相の心の強さは出色だ。今後も「鋼のメンタル」で貫き通していただきたい。

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