【日本の解き方】スガノミクスで変わる日本経済 “縦割り”の打破へ柔軟な省庁再編、成長重視で「真水」の投入焦点に - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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スガノミクスで変わる日本経済 “縦割り”の打破へ柔軟な省庁再編、成長重視で「真水」の投入焦点に

 菅義偉首相は経済政策について、「アベノミクスを継承する」とした上で、「デジタル庁」創設や地方銀行の再編、ふるさと納税、携帯電話料金の引き下げなど独自色も出している。新型コロナウイルス感染による不況への対応は待ったなしだが、日本経済を復活させることはできるだろうか。

 菅首相が、安倍晋三政権の政策を継承するとしているのはいいことだ。そもそも、アベノミクスと名前は付いてはいたが、(1)金融緩和政策(2)積極財政政策(3)成長戦略の「3本の矢」のうち、(1)と(2)はマクロ経済政策、(3)はミクロ政策で、世界先進国では標準的な組み合わせだ。

 安倍政権では、(1)と(2)が前面に出ていたが、菅政権ではマクロ政策を維持した上で、(3)の成長戦略をアピールし始めている。

 そのための大きな柱としては、縦割り行政を打破し、効率的な行政のための省庁再編が有効だ。

 省庁再編は当然ながら、その時の政策課題と大きく関係する。その意味でも重要なのだが、政策議論よりも「器」にばかり議論が偏り、そこに人的リソースをかけ過ぎるのは効率的とはいえない。

 各省庁の官僚の幹部人事を一括して行う内閣人事局については、官僚側の言い分をうのみにして批判するマスコミもある。だが、第1次安倍政権で企画した筆者からみれば、それまで各省で行っていた幹部人事を官邸に移すのは、民間企業が幹部人事を各事業部でなく本部で行うのと同じで当たり前だ。

 一方、省庁再編が行いにくいのは、各省の事務分担が各省設置法で定められているからだった。そもそも、海外の国では各省設置法などなく、時の政権が柔軟に行政組織を決めるのが普通だ。民間企業でも、組織の改編は執行部が決めないと、時代の変化に対応できない。

 この発想からいえば、今ある各省設置法を全て束ねて政府事務法として一本化し、各省の事務分担は政令で決めればいい。こうした枠組みを作れば、その時の政権の判断で省庁再編を柔軟に行うことができる。この方式の方が世界標準であり、政治主導がより発揮でき、時代の変化への対応も容易である。大きな枠組み変更の中で、デジタル庁など政策課題にふさわしい政府対応を行うことも可能だ。

 喫緊の課題であるコロナ対応については、積極的に財政出動するだろう。かつてリーマン・ショックや東日本大震災の際にも、菅氏は「国債の日銀引き受け」や、同じ効果を持つ「政府紙幣発行」を提唱したこともある。アベノミクスでは、すでに政府と日銀の連合軍はできているので、実質的に同じ政策が確保されており、将来世代への負担なしで財源を捻出できる。

 菅氏は財政について、「経済成長なくして財政再建なし」として、財政再建よりも経済成長を優先する「経済主義」を表明している。

 コロナ対策では、どれだけ財政出動などで「真水」が投入できるかがポイントだ。スガノミクスで経済成長を期待したい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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