【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】トランプ氏は批判されるべきだが…アカウントを永久凍結したビッグ・テックも“同じ穴のムジナ”だ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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トランプ氏は批判されるべきだが…アカウントを永久凍結したビッグ・テックも“同じ穴のムジナ”だ

 民主党のジョー・バイデン前副大統領を次期大統領に正式選出する上下両院合同会議が開かれていた連邦議会議事堂に6日、ドナルド・トランプ大統領の支持者らが乱入し、一時占拠する事件が発生した。民主主義の象徴である議事堂が暴力に染まった異常事態は、非常に重く受け止めなければならない。

 事件では、トランプ氏の女性支持者や警察官など5人が亡くなった。議事堂が暴力行為にさらされたのは、米英戦争時に、英軍が襲った1812年以来209年ぶりのことで、52人が逮捕された。上下両院議員が避難し、議事堂に銃声が鳴り響く襲撃映像は、世界中に配信され、恥をさらしたといっていい。

 これまでトランプ氏は選挙結果について、一貫して“不正選挙”であると訴えてきた。

 確かに、一部の州では、急遽(きゅうきょ)郵便投票を導入したことで、4年前の選挙時の選挙名簿を使用して、間違った住所に投票用紙が送られたり、二重に投票用紙が届くなどのトラブルがあった。また、州の憲法を改正せずに、投票日が変更されるケースもあった。

 混乱した州があったことは事実だが、激戦州では投票用紙の再集計が行われ、訴訟もほぼすべてが棄却された。よって民主主義の下で、不正選挙があったとはいえない。

 それにもかかわらず、トランプ氏は6日、熱狂的で選挙結果に不満を募らせる支持者らを前に集会を開き、議事堂に向かわせるような発言をした。これは大統領としてふさわしくない。暴動を主導したとまではいえないが、選挙結果が出ている時点で集会を開くこと自体が無謀だ。

 7日にはようやく敗北宣言があったが、本来は「国の分断」を避けるための宣言であり、遅すぎた。トランプ氏はこれまでの4年間で、外交を中心に偉大な功績を残したが、これで台無しになった。

 ただ、事件を受けて、ツイッター社がトランプ氏のアカウントを永久凍結するなど、米巨大IT企業「ビッグ・テック」がトランプ氏の排除に乗り出しているのは問題だ。

 「暴力を助長する」と判断しているようだが、民主主義的には思想を牛耳る状態に陥ってしまっている。

 これを受けて、保守層が「パーラー」というSNSに言論の場を移しているが、アップルはパーラーをストアから排除し、アマゾンはパーラーに提供するウェブサービスを停止すると通告した。これも資本主義の観点からすれば、独占禁止法に反する行為だといえ、問題だ。

 トランプ氏や支持者らの6日の振舞いは批判されるべきだが、一連のビッグ・テックの行動も同じ穴のムジナではないだろうか。

 大統領選混乱の裏側で、「言論の自由」への挑戦をするビッグ・テックは、バイデン政権になれば、野放しになる可能性も否定できない。今後も目を光らせなければならない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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