【大前研一のニュース時評】不安だらけの世界10大リスク、第1位は「第46代」 バイデン氏が大統領選勝利も半数近くはトランプ氏支持、深刻な社会分断 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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不安だらけの世界10大リスク、第1位は「第46代」 バイデン氏が大統領選勝利も半数近くはトランプ氏支持、深刻な社会分断 (1/2ページ)

 米国の調査会社「ユーラシア・グループ」が2021年の「世界の10大リスク」を発表した。国際政治学者、イアン・ブレマー氏が率いる同社は、1998年に発足した世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社。毎年、年頭にその年の政治や経済に大きな影響を与えそうな事象を予想している。

 今年のリスクの第1位は米国のジョー・バイデン次期大統領を意味する「第46代」を挙げた。約7400万人という米国史上で2番目の得票を獲得したドナルド・トランプ大統領が大統領選挙の敗北を認めず、米国民の半数近くがバイデン氏の大統領就任の正当性を受け入れていない社会分断は深刻だと指摘している。

 トランプ氏やその支持者に攻撃され続けることで、「不法に選ばれた大統領」と見なされて政権基盤は弱まり、バイデン氏は内政や外交面で期待するほどのリーダーシップを発揮できないというわけ。

 上院議員2議席を争った南部ジョージア州の選挙で民主党は2勝して、大統領選の勝利と上下両院で多数派を確保する「トリプルブルー」となり、バイデン政権にとって追い風だった。それでもトランプ氏はひるまない。

 米連邦議会議事堂への暴徒の乱入を扇動したとして、解任に向けた準備や大統領の弾劾訴追が決まっても、トランプ支持者の中に「あんな奴に投票して間違った」と思っている人が意外に少ない。トランプ氏がここまで異常な行動に走るのは、7400万票を獲得した自信があるからだ。

 ということで、ユーラシア・グループは、バイデン政権のひ弱さとトランプ氏の執拗な攻撃を世界のトップリスクに挙げている。バイデン氏の選んだ閣僚の中に、このリスクを抜本的に対処してくれる人がいるかな、とみているのだが、多様性を重視しすぎていたり、オバマ時代の2番手、3番手が多い。オバマ政権で2番手であったバイデン氏と似た人物ばかり、と言ってもよい。

 副大統領は大統領に代わって世界中を飛び回る役目もあるが、検察官上がりのカマラ・ハリス次期副大統領は、外交があまり得意ではないだろう。ハリス氏の組織をたばねる能力、演説力は素晴らしいと思うが、今回、本当に必要な役割、つまり、バイデン氏にカリスマ性を持たせたり、共和党派の攻撃から脇腹を固めるという点においては弱い。

 もう1人、軍事部門を束ねる国防長官のポストも重要だ。今回、バイデン氏はロイド・オースティン元陸軍大将を起用する。オースティン氏は中東地域を統括する中央軍司令官に就いて、イラクやシリアで過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦を指揮した。

 ただ、連邦法は文民統制を維持するため、軍人は退役から7年間は国防長官に就けないと規定している。2016年に退役したオースティン氏は連邦法の適用除外を上下両院で得る必要がある。議会で承認されるか、これもクエスチョンマークだ。

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