【真・人民日報】米政権移行で揺れる「米台関係」 米国連大使の訪台中止、対中国を見据える蔡政権の困惑 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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米政権移行で揺れる「米台関係」 米国連大使の訪台中止、対中国を見据える蔡政権の困惑

 米国のドナルド・トランプ政権は、やはりギリギリまで台湾を利用するつもりのようだ。

 1月13日から唐突にケリー・クラフト国連大使を台湾に訪問させる予定を公表したのだ。

 この少し前、マイク・ポンペオ国務長官は米国が長年対中政策で保持してきた「一つの中国」という“制限”を終わらせると発言し、中国に対する挑発をさらに一段階引き上げようとした。

 1月6日のトランプ支持者による国会乱入事件で同政権に対する内外の目が冷ややかになっても一部の閣僚や共和党議員は「次」を見据えて相変わらずの動きをしているようだ。

 日本の一部には、「中国に向き合ってくれた」という理由で、相変わらずトランプ外交を支持する声があって驚かされる。まさか米国が本気で日本のために中国と対峙(たいじ)してくれているとでも思っているのだろうか。だとしたら少しあやかりたいほどの能天気だ。

 残念ながらこれは「大統領選挙を有利にできるのなら米国から遠い国でちょっとした戦争が起きてもいいだろ?」という話だ。

 ゆえに内政が少し変われば調整が入る。米国務省は12日、このクラフト訪台が中止されたと発表した。理由として挙げられたのは、間近に迫った政権移行だった。

 一方の台湾は、残念だとしながらも米国の決定を「理解し尊重する」と表明した。

 そういわざるを得ないのは当然として、少しほっと胸をなで下ろしたというのが本音だろう。

 台湾の経済日報が11日付の記事で評論したように、蔡英文政権は表向き国連大使の訪台を喜びながら自らが抜き差しならぬ立場に追い込まれることに困惑があったからだ。

 米台の接近に関しては以前から日本の外交筋にも「トランプ政権による親切の“押し売り”に台湾が困り始めている」との見方はあった。

 蔡政権にしてみれば域内で自らへの支持が高まればよいわけで、実際にリングに上がって中国と殴り合うまでのことを望んでいるはずはない。

 台湾にとって米国が頼りになる存在としても完全に片務的な味方が国際社会に存在するはずはない。それどころか大国を前に、常に誰かと争っている状況が「弱み」でしかないことは、現与党の民進党が過去に散々反対した米国産豚肉を率先して輸入し、米国に言われるまま兵器を大量購入している現実が何よりも雄弁に物語っている。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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