中国の狙いは尖閣諸島だけではない 太平洋に進出し不審な調査を続ける訳 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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中国の狙いは尖閣諸島だけではない 太平洋に進出し不審な調査を続ける訳 (1/2ページ)

 世界中でコロナ禍が続く中、中国は今年に入っても平然と海洋覇権行動を続けている。1月13日には沖縄県尖閣諸島周辺で中国公船1隻が日本の領海を侵入。日本漁船に近づく動きをしたことから、政府が中国側に厳重抗議した。だが、「中国の狙いは尖閣諸島だけではない」と指摘するのは、ジャーナリストの宮田敦司氏だ。

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 菅義偉首相が昨年12月19日、東京都内での講演で、米国のバイデン次期大統領と電話会談した際、沖縄県・尖閣諸島が対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象になると同氏が明言したことを強調した。

 日米安全保障条約第5条とは、日米両国が、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対し、「共通の危険に対処するよう行動する」という内容である。

 日本のリーダーはよほど不安なのか、菅直人政権では前原誠司外相が2010年にクリントン国務長官と、安倍晋三首相は2014年にオバマ大統領、2017年にトランプ大統領と尖閣諸島が第5条の適用対象であることを確認している。

 講演で菅首相は、尖閣諸島が話題になった事を強調していたが、それ以外の島嶼(とうしょ)については触れなかったのだろうか? 尖閣諸島以外にも日米の安全保障のために重要な島嶼が東京都にある。日本最南端の領土・沖ノ鳥島(東京都小笠原村)である。

 ◆中国は「島」でなく「岩」と主張

 沖ノ鳥島を中心に設定される半径200海里(約370km)の排他的経済水域(EEZ)の広さは、国土面積の約12倍に相当する(約40万平方キロメートル)。この海底にはメタンハイドレートやレアアース(希土類)が眠っているとされる。

 しかし、この島は無人島で満潮時に水面上に浮かぶ面積は4畳半程度に過ぎない。

 この沖ノ鳥島を中国が「島ではなく岩」と主張し始めたのは2004年のことだ。日本側の同意なく調査を繰り返す中国に日本が抗議したところ、中国側が沖ノ鳥島は「島ではなく岩」と主張したのだ。しかも中国は「沖ノ鳥島」の名称も「沖之鳥礁」と呼び変えている。

 沖ノ鳥島は満潮(高潮)時には2つの小島が海面上にわずかに頭を出すだけだが、国連海洋法条約第121条1項にいう、自然に形成された陸地で高潮時にも水面上にあることを満たしている。

 しかし、もともと中国は、沖ノ鳥島が日本の領土である事について問題視していなかった。それどころか、中国軍機関紙「解放軍報」は1988年、沖ノ鳥島について好意的に取り上げていた。

 記事のなかで、日本が沖ノ鳥島が波で削られないよう波消しブロックやコンクリートなどで保護していることを「素晴らしいことである」と評価し、「日本は港、ビル、飛行場などを作ろうとしている」とまで書いていたのだ。(引用元/平松茂雄・元杏林大学教授講演、2010年2月15日)

 これは、南シナ海に進出した中国が同じような事を行っていたからだった。日本が行っていることを持ち出して、南シナ海での中国の行動を正当化しようとしていたのだ。

 しかし、中国の好意的な姿勢は、中国海軍が東シナ海から宮古海峡を通って西太平洋に進出するようになると一変した。2010年4月には、10隻の艦隊を沖ノ鳥島周辺まで進出させ、対潜水艦戦訓練などを実施した。

 このような中国の行動は、沖ノ鳥島が日本の軍事拠点となることを恐れてのことだろう。レーダーや対艦ミサイルを配備されたら、中国海軍が自由に動けなくなるからだ。

 中国海軍が演習を行った翌年(2011年)、日本政府はEEZの権益を守る拠点として、沖ノ鳥島を「特定離島」に指定し、港湾や道路を整備するなど開発を進めることにした。

 ◆無断で繰り返される中国の海洋調査

 中国が沖ノ鳥島周辺海域以外で海洋調査を行ったのは2001年から2003年にかけてである。この時の調査は詳細にわたり、資源探査だけでなく、海底の地形や潮流、水温、塩分濃度などの科学的データを収集していた。潜水艦を展開させるために必要となるデータだからだ。

 2004年以降は、沖ノ鳥島周辺で様々な調査を行っている。2020年は7月に10日連続で中国の海洋調査船「大洋号」がワイヤのようなものを海中に下ろし調査活動を行い、海上保安庁の巡視船の警告を無視して調査を続行した。

 国際法ではEEZ内での調査は沿岸国の同意が必要となるとしている。したがって、沖ノ鳥島周辺で海洋調査を実施するためには日本側の同意が必要となる。

 中国が日本のEEZ内で海洋調査を始めた2001年当時は、田中真紀子外相が衆院外務委員会で「EEZで資源調査をしてはいけないという国際法はない」と中国側を擁護する答弁を行うなど、政府内で足並みが乱れていた。

NEWSポストセブン

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