【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】バイデン新政権の“不幸中の幸い” 「インド太平洋調整官」に知日派キャンベル氏起用、尖閣や台湾などの状況も把握 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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バイデン新政権の“不幸中の幸い” 「インド太平洋調整官」に知日派キャンベル氏起用、尖閣や台湾などの状況も把握

 米ワシントンで20日(現地時間)、大統領の就任式が行われ、民主党のジョー・バイデン氏が正式に大統領となった。バイデン氏には、次男のハンター氏が中国企業から巨額の資金を得た疑惑が浮上するなど、“親中”懸念がある。ただ、外交面では日本にとって朗報もある。

 それはホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)に新設するアジアを含むインド太平洋地域の政策を統括する「インド太平洋調整官」に、カート・キャンベル氏が起用されるからだ。

 キャンベル氏は、アジア重視政策が道半ばに終わったバラク・オバマ元政権下で、国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務めた「知日派」である。米海軍横須賀基地での勤務経験もあり、2016年には著書『THE PIVOT アメリカのアジア・シフト』(邦題、日本経済新聞出版)を発表し、外交の中心をアジアに移す重要性を説いた。

 ドナルド・トランプ前政権下では同盟が軽視されたが、キャンベル氏は、在日米軍の駐留経費増額をさらに日本に求めれば、日米同盟が弱くなるとして否定的だ。ロイター通信によれば、トランプ氏の対中強硬路線の一部や北朝鮮への対応には支持を表明したとある。

 沖縄県・尖閣諸島をはじめ、台湾や南シナ海など状況を把握する人物であり、その彼がブレーンを務めることは歓迎したい。

 また、国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン氏や、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に指名されたジェイク・サリバン氏は、いずれも国際経験豊富である。

 バイデン氏が急速な親中姿勢を示せば、国民からの批判が大きく「同盟の強化に取り組む」という方針に反するため、現実的ではない。よって、バイデン政権は側近たちが外交のかじ取りを担うのではないだろうか。

 キャンベル氏が指摘するように、日本を筆頭にしたアジアの同盟国と関係をより深いものにするのは、日本だけでなく米国にとっても利益があるからだ。「不戦を唱えれば平和だ」とボケている日本人もいるが、日本は「インド太平洋地域における要石」であり、この関係が崩れれば世界のパワーバランスが一気に全体主義国家へと向かうことになる。

 この点については、14日発売の私の新刊『強い日本が平和をもたらす日米同盟の真実』(ワニブックス)でも指摘している。太平洋戦争以降、日本で戦争が起きていないのは“平和憲法”があるからではなく、日米安全保障条約があるからであり、それを忘れてはならない。

 バイデン氏が、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に熱心だったことや、与党となる民主党には民主社会主義者であるバーニー・サンダース上院議員ら幅広いイデオロギーが混ざり合っている点についても解説している。ぜひ、書店で手に取ってもらいたい。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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