【日本の選択】バイデン大統領就任演説の白々しさ 国を分断させたのは「リベラル」、トランプ氏を「悪魔化」して「結束」はあり得ない - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【日本の選択】バイデン大統領就任演説の白々しさ 国を分断させたのは「リベラル」、トランプ氏を「悪魔化」して「結束」はあり得ない

 ジョー・バイデン氏が20日(日本時間21日未明)、第46代米国大統領に就任した。多くの「リベラル」メディアは、バイデン大統領誕生を歓迎しているような様子である。だが、私は素直にこの大統領の就任を祝う気になれない。「リベラル」という病が米国、そして日本を蝕(むしば)んでいるように思えてならないからだ。

 就任演説を読むと「民主主義」を11回、「結束」を8回も呼びかけている。私が注目したいのは「結束」の部分だ。例えば、次のような表現がある。

 「大統領に就任した今日、私は米国を1つにすること、国民、国を結束させることに全霊を注ぐ。国民の皆さんに、この大義に加わってくれるようにお願いする。怒り、恨み、憎しみ、過激主義、無法、暴力、病、そして、職と希望の喪失という共通の敵と戦うために結束すれば、素晴らしく大切なことを成し遂げられる」

 あまりに白々しいセリフだと思うのは、私だけだろうか。

 ドナルド・トランプ前大統領が米国を「分断」させた。だからこそ、バイデン氏は「結束」を強調すると言いたいのだろうが、それほど単純な話ではないだろう。

 真剣に考えてみて、実際に米国を分断させたのは誰なのか?

 米国国民というアイデンティティーを否定し、さまざまなマイノリティーのアイデンティティーを過度に強調してきたのは「リベラル」ではないのか。

 民族的、性的マイノリティーの人権を擁護するのは当然だ。しかし、彼らの人権のみを過度に強調し、米国の庶民を敵視するような風潮がなかっただろうか。こうした米国を分断させる「リベラル」への憤りの念が、トランプ氏への支持につながっていたのだろう。

 ツイッター、フェイスブックといったSNSは、トランプ氏が米連邦議会議事堂襲撃を煽ったとしてアカウントを停止した。「言論を封殺した」という指摘もある。

 常識に立ち戻って考えてみるべきだ。こうした言論の統制が「結束」をもたらすはずがない。自らの意見を表明することすらできないとの大衆の憤りの念は、米国内の分断を深めるだけだ。

 私はトランプ氏を熱烈に支持した一人ではない。日本の国益を第一に考える愛国者として、その外交感覚には危うさを覚えていた者である。だが、彼を「悪魔化」してしまうことを憂慮している。トランプ氏、そしてトランプ支持者を悪魔のように扱うことによって、米国の「結束」が甦(よみがえ)ることはあり得ないからだ。

 「リベラル」は、国民としてのアイデンティティーを否定することが、知的に洗練されたことであるかのようにみなす。

 だが、これは間違いだ。国家なくして人権の擁護はあり得ない。国民としてのアイデンティティーを取り戻すことこそが肝要なのだ。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部准教授。専攻は政治哲学。著書・共著に『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)、『なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか』(扶桑社)など。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。

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