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《zak女の雄叫び お題は「改」》マリナーズの菊池雄星が米大リーグで初白星 西武の新人時代の取材メモには…

 個人的にうれしいニュースがあった。今季、西武から米大リーグのマリナーズに移籍した菊池雄星投手が4月20日(日本時間21日)、敵地でのエンゼルス戦でメジャー初勝利を飾った。菊池がプロ野球の西武に入団した1年目、球団担当として取材をする機会に恵まれた。当時、高卒新人ながら、語彙が豊富で、しっかりとした受け答えをする18歳に舌を巻いた。懐かしくなって、過去の取材メモを改めて読み返してみた。

 菊池への取材は、本の話題が多かった。読書が趣味でオフの日には2時間以上滞在し、大型書店を1階から8階まで制覇するという。ジャンルは主に啓発本で、医学書や小説、哲学書なども手に取った。当時は、年間約200冊を購入し「基本読みました。野球につなげようとか全く考えていないんですよ」と笑っていた。

 印象に残っている言葉がある。2010年6月17日に19歳の誕生日を迎えた菊池は「親から誕生日プレゼントはもらったのか」という問いに、「誕生日は、親に『生んでくれてありがとう』と言う日だと思う」と答えた。親には奮発してブランド品を購入し、手紙と一緒に贈ったのだという。自らの誕生日に、親への感謝の気持ちを形にして実行した若者に尊敬の念を抱いた。

 菊池といえば「涙」がつきものだった。花巻東高時代に米大リーグへの挑戦を封印し、日本のプロ野球界入りを表明した会見。「まだまだ自分のレベルでは世界に通用しないと思った。日本一の投手になってから挑戦したい」と語り、涙をこぼした。プロ初登板でも号泣。最近では今年3月、東京ドームで行われたマリナーズのイチローの現役最後の試合。「幸せな時間でした。イチローさんは、日本でやることが『ギフト』とおっしゃっていたが、僕にとっては、イチローさんとプレーできた時間が最高のギフトだった」と声を詰まらせた。米大リーグでの初勝利は意外にも涙はなかった。6度目の登板での白星に「ホッとしているのが一番」と語った。

 高校時代に抱いていた米大リーグへの思いについて「今、考えれば好奇心だった。ボヤッと『メジャーはいいな』という感じだった」と語ったことがある。プロ入りから9年、輪郭が曖昧だった「夢」を形にして、実現させた。月並みな表現だが、改めてすごい選手だと思う。(K)

 当時、新人の菊池に取材できたのは、自分にとって「最高のギフト」だったと感じているプロ野球担当記者。

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。5月のお題は「改」です。

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