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《zak女の雄叫び お題は「無題」》「杉谷いじり」を支える膨大な読書量 西武の場内アナウンス担当は中国語も堪能

 プロ野球界は、今でこそ記者やチアリーダーなど現場で働く女性が増えたが、昔は男性中心の職場だった。その中で、西武の場内アナウンスを務めてきたのが、球団職員の鈴木あずささん。日本ハムの杉谷拳士(すぎやけんし)選手(日本ハム)への「いじり」で知られるが、実は中国語も堪能で、行動力のある女性だった。

 メットライフドームで行われる日本ハム戦の試合前練習。鈴木さんの「杉谷いじり」は、ファンの楽しみの一つになっている。5月24日、2007年のセギノール以来となる左右両打席本塁打を放った杉谷が打撃練習を始めると「噂のケルナンド・スギノール選手にご注目ください。キュートなフォルムとは裏腹に大変、攻撃的な打球が本日は絶え間なくスタンドに飛び込む恐れがございます」とウイットに富んだアナウンスで、拍手が起こった。

 豊富な語彙力は、膨大な読書量から来ている。「図書館に行って、中毒的に小説を読んでいる」。西武の若手選手が暮らす「若獅子寮」に置いてあった「鬼平犯科帳」を読破したことも。ジャンルは、ベストセラーから、日本の時代小説、中国の武侠小説など多岐にわたる。「杉谷いじり」には台本はなく、「急に降りてくる」と明かす。

 日本語だけではなく、中国語も操る。大学時代に1年間、中国・北京に留学。その経験を生かし、国際大会で中国語での場内アナウンスや台湾選手の入団会見の通訳もこなした。

 中国留学を決意した際の行動力がすごい。当時、中国に留学していた兄の元へ遊びに行き「兄が中国語を話せるようになっていて、刺激を受けた」と帰国後すぐに大学の中国文学科の先生を訪ね、留学先を紹介してもらった。親に報告したのは留学を決めた後で「一度、決めると動きは早い。興味を持ったことをそのままにしてしまうのはもったいない」と力を込める。現在も、中国語の勉強を継続している。

 プロ野球の場内アナウンサーは募集が少なく、倍率も高い。簡単にはなれない職業だが、鈴木さんは、体育会系でも、野球部のマネジャーをしていたわけでもない。「周囲を説得できるようにいろいろと勉強しておくのが大事。野球だけではなく、別のことにも興味を持つことで世界が広がり、色んな角度から仕事を見ることができると思う」。男性中心の職場で、道を切り開いた女性の「たくましさ」を垣間見た。(K)

 「行動力」のある女性に憧れるプロ野球担当記者。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。6月のお題は「無題」です。

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