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《zak女の雄叫び お題は「良かったこと」》スポーツクライミングが面白い 東京五輪でメダル獲得の可能性大

 2020年東京五輪ではサーフィンやスケートボードなど若者向けの新競技が実施される。スポーツクライミングもその1つ。先月中旬には、東京都八王子市で世界選手権が開催された。東京五輪で行われる「複合」で、男子は楢崎智亜(ともあ)が金メダル、女子は野口啓代(あきよ)が銀メダルを獲得するなど、日本人選手が大活躍。最終種目まで、順位が入れ替わり、見る側も最後までハラハラ、ドキドキの展開を楽しめた。

 スポーツクライミングは、高さ15メートルの同条件の壁を登る速さを競う「スピード」、高さ5メートル以下の壁に設置された複数の課題(コース)の完登数を競う「ボルダリング」、高さ12メートル以上の壁を6分間の制限時間内に登り、到達した高さを競う「リード」の3種目の複合で争う。スピードは瞬発力、ボルダリングは空間把握能力、リードは持久力と、求められる力がそれぞれ違うが、総合力の高い選手が上位にいくとはかぎらない。

 複合は、各種目の順位を「かけ算」した値が少ない選手が上位となる。「足し算」ではない所が肝で、3種目のうち1つでも「1位」を取ると、圧倒的に優位になる。つまり、各種目のスペシャリストが、上位に食い込む可能性が高いということだ。実際、世界選手権の複合の男子決勝では、ボルダリング1位の楢崎が優勝、リード1位の選手が2位、スピード1位の選手が3位に入った。最終種目のリードの順位は、ラスト一人が登り終わるまで確定しないため、総合順位も最後まで激しく入れ替わる。

 今回の世界選手権の複合では、7位以内の日本人最上位が東京五輪代表に決まることになっていた。8人で争われた複合決勝には、半分に当たる男女各4人の日本人選手が進出。激しい争いの末、男子は楢崎、女子は野口が五輪切符を手にした。2人の試合後の表情は対照的で、ボルダリング1位、残り2種目を2位と圧勝した楢崎は「優勝できる感覚があった」と淡々と話した。一方、野口は「夢みたいで信じられない」と声を詰まらせた。

 東京五輪の出場枠は、「1カ国・地域2人まで」で、日本人選手は残り男女各1人が出場できる。日本山岳・スポーツクライミング協会は、世界選手権や五輪予選など国際スポーツクライミング連盟の指定大会で「参加資格」を得た選手が複数いた場合、来年5月の複合ジャパンカップで上位の選手を代表に選ぶことを発表している。

 今回の世界選手権の複合で、男子は4位の原田海(かい)、女子は5位の野中生萌(みほう)が、日本人の中で2位に入り、五輪出場の「参加資格」を得た。ただ、今大会で参加資格を獲得できなかった他の日本人選手との実力差はわずかで、代表争いは来年までもつれ込みそうだ。

 ぜひ一度、競技を見に行ってもらいたい。そして、東京五輪では、メダル獲得の期待がかかる日本人選手を「ガンバ」と応援してほしい。(K)

 スポーツクライミングの五輪チケットを申し込んだが、抽選に外れた野球担当記者。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。9月のお題は「良かったこと」です。

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