コロナ禍で稽古環境の格差歴然! 大栄翔の初V生んだ追手風部屋の切磋琢磨 同部屋の剣翔も十両制覇 関取6人、出稽古禁止もなんの!! - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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コロナ禍で稽古環境の格差歴然! 大栄翔の初V生んだ追手風部屋の切磋琢磨 同部屋の剣翔も十両制覇 関取6人、出稽古禁止もなんの!!

 ■大相撲初場所千秋楽=1月24日、両国国技館

 緊急事態宣言下で開催された大相撲初場所の千秋楽で、西前頭筆頭の大栄翔(27)=追手風=が13勝2敗で初優勝を果たした。今場所は新型コロナウイルスの影響で、横綱白鵬(35)=宮城野=ら実に65人が全休。うち所属全27力士が休場した九重部屋では、この日までに感染の第3波が発生した。見えない脅威にさらされ、多くの力士が満足に出稽古できないハンデを抱える一方、稽古相手に恵まれた大栄翔が巡ってきたチャンスをモノにした。 (塚沢健太郎)

 勝てば優勝の一番で、西前頭5枚目の隠岐の海(35)を突き出しで快勝。大栄翔は「言葉に表せないぐらいうれしい。出るからには全部勝つつもりでやってたけど、自分が優勝となると夢のようです」と喜んだ。これで初場所は実に6年連続で初優勝力士が誕生。4年連続で平幕力士が賜杯を抱く“大穴”場所となっている。

 特に今場所は波乱要素が満載だった。白鵬、鶴竜(35)=陸奥=の両横綱が不在で、綱取りの大関貴景勝(24)=常盤山=が初日から4連敗。カド番の朝乃山(26)=高砂=も6日目まで3勝3敗と優勝候補が序盤からつまずくなか、大栄翔は役力士に初日から7連勝し、平幕力士に2敗で逃げ切った。

 十両も剣翔(29)が優勝。同部屋力士による幕内と十両の制覇は、2005年九州場所の朝青龍、闘牙(高砂)以来約15年ぶりの快挙だ。大栄翔は「関取が多く、いろんなタイプがいて、稽古内容がいい。環境に恵まれていて、感謝しかない」と勝因を挙げた。

 元幕内大翔山が師匠の追手風部屋は、所属力士21人のうち関取が6人。相撲巧者の遠藤(30)、細身で業師の翔猿(28)、十両にも191キロの剣翔や182キロの大奄美(28)、突き押しが武器の大翔丸(29)と、実にバラエティーに富んでいて、稽古相手には困らない。

 感染防止で出稽古が禁止され、部屋に稽古相手の少ない力士は今場所、番付発表前に開催された合同稽古で補った。しかし、追手風部屋の力士は参加を見送り、埼玉県草加市の部屋でみっちり稽古を積むことができた。

 埼玉栄高出身の大栄翔は、日大出身の遠藤より3歳下だが、入門は1年早い兄弟子。いずれの関取も年齢が近く、「悔しい気持ち、負けたくない気持ちはありました」(大栄翔)とライバル意識は相当なものがある。コロナ禍で出稽古の制限が続く限り、力のある力士の数が限られている部屋と、大勢で切磋琢磨できる部屋の格差は、今後さらに広がりそうだ。

 これまでも若貴兄弟ら関取11人を誇った二子山部屋、武蔵丸、武双山、出島、雅山が横綱、大関に君臨した武蔵川部屋など、一時代を築いた部屋があった。追手風部屋は昨年秋場所に翔猿が新入幕で敢闘賞とブレーク。大栄翔が抜け出し、初の優勝力士誕生を機に、相乗効果で一大勢力になる可能性は十分ある。

 ■残る優勝空白地は11府県

 大栄翔が埼玉県出身力士で初優勝。経歴は埼玉一筋だ。朝霞市出身で、さいたま市の埼玉栄高を卒業後、草加市の追手風部屋に入門。県内に5つある相撲部屋からの優勝力士輩出も初となる。

 1991年9月場所で琴錦が群馬県出身者で初の優勝を飾って以来、長らく優勝力士を出していない空白地は14府県で固定されていた。ところが2018年7月場所で御嶽海=出羽海=が長野県勢初優勝を果たすと、昨年9月場所で正代=時津風=も熊本県勢初V。今場所で埼玉県も続き、これで残る空白地は宮城、静岡、福井、岐阜、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄の11府県となった。

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