記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】北が狙った韓国という弱点 五輪参加をエサに時間稼ぎ、中東に核拡散の深刻事態も (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は新年の辞で、韓国との対話について「開かれている」とし、2月に開催される平昌(ピョンチャン)冬季五輪について北朝鮮選手団の派遣を示唆した。

 これに、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が飛びついた。これまで韓国の一方的な対話要求を北朝鮮は無視してきたが、正恩氏の歩み寄りとも取れる発言を歓迎した形だ。早速、9日には南北高官級会談が行われた。

 一方、ヘイリー米国連大使は、「北朝鮮が完全に非核化するまでは、いかなる話も真剣に受け止めない」として、北朝鮮と韓国との会談を米政府が重要視することはないとの立場を示している。

 北朝鮮は核・ミサイル開発を認めさせようと、もともと米国との直接交渉を望んでいたが、米国は強硬姿勢を崩さなかったため挫折した。

 中国には米国との仲介を頼めないし、まして米国と歩調を合わせる日本にもできない。そこで、もっともくみしやすい韓国を選んだのだろう。何としても2月の平昌五輪を成功させたいと考える韓国は、足元を見られた形だ。韓国は、日米韓という西側国家の連携の中で、中国の顔色をうかがうなど、最も弱い「ウイーク・リンク(足手まとい)」だといえる。

 そうした韓国の弱点を突くように、北朝鮮が甘いささやきを仕掛けてきたのだ。

 韓国が歓迎姿勢を示したのは、北朝鮮にまんまとはめられた公算が大きい。正恩氏の話の中には、繰り返し北朝鮮の核の力について言及している箇所もあった。北朝鮮は、決して非核化せずに、韓国にささやきながら時間稼ぎをして、未完成の核の大気圏再突入技術を最終的に完成させ、核ミサイルの実戦配置を成就させようという魂胆だ。