記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】米株暴落と金利急騰は深刻か FRB新議長の手腕試す市場、成長を阻害する水準ではない (1/2ページ)

 米国の金利上昇を背景に、世界各国の市場で株価が暴落する場面があった。これが一時的なものなのかどうかは、正直いって分からない。「一時的なものだ」と断定できるならば、これほど楽なものはない。

 今回の株価の暴落は、5日に米連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任したジェローム・パウエル氏の手腕を株式市場が試した格好になった。一般的にいえば、FRBがこれまで実施してきた出口戦略により長期金利は上昇傾向になっているが、株式市場関係者からみれば、そのペースが速すぎると感じるのだ。

 経済理論からいえば、米国の経済の下限とされる失業率(NAIRU=インフレを加速しない失業率)は4%程度だが、1月の失業率が4・1%となっており、すでに経済はその状態に達している。昨年12月のインフレ率も2・1%であり、インフレ目標の範囲にもなっている。この意味で、FRBの出口戦略は、経済理論としては合理的である。

 もっとも、それを株式市場関係者がどうみるかは、別問題だ。FRBの「二重の責務」とされる「物価の安定」と「雇用の確保」の観点からすると、株式市場関係者の利己的な意見は考慮する必要がない。

 しかし、株式市場の下落が実体経済に影響を与えるとなると、それが巡り巡って、物価の安定と雇用の確保というFRBの最終目標に影響を及ぼさないとは断言できない。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう