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【ここがヘンだよ!日本】「異次元緩和」が銀行経営を骨抜き、金融システム全体が危機に (1/2ページ)

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 銀行がおかしくなり始めている。

 金融庁は昨年10月、地方銀行の過半が本業の融資業務で赤字に陥っていることを明らかにした。

 背景にあるのは、いわゆる日本銀行の「異次元緩和政策」だ。日本の銀行は長らく、低利だが確実に利益が取れる「政府国債を大量に保有する」ことで最低限の利益を確保し、企業融資によって利益の上乗せを狙う経営方針を取ってきた。

 それが2013年3月、黒田東彦氏が日銀総裁に就任して以来、景色が一変した。日銀は年間60兆~80兆円という異例のペースで政府国債を超低金利で買い入れるようになった。また、16年9月からは、より積極的に10年国債の金利を0%に近づけるために、長短金利を調整する「イールドカーブ・コントロール」と呼ばれる政策の導入を発表した。

 この結果、銀行は国債で利益を確保できなくなり、超低金利化が進むなかで企業融資による利益も圧縮され始めている。

 つまり、従来の「個人に預金口座を開いてもらってお金を預かり、信用力の高い企業に融資して金利から収入を得る」という、銀行の根本的な経営モデルが崩壊しつつある。実際、前述の通り、地方銀行の過半はもはや本業で赤字である。

 現在銀行は、個人への不動産ローンの活発化や、本業ではない投資信託の販売でなんとか利益を稼いでいる。当然、このような銀行の経営方針が長く続けば、不動産市場や株式市場を歪めることになる。場合によっては、金融システム全体が危機に陥りかねない。

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