記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】大学入試ミス問題の解決策 完全に回避するのは難しい、合格者2%増で対応可能だ (1/2ページ)

 大阪大学の入試ミスをめぐり、大学に転入学する学生を支援するための寄付を役職ごとに金額を決めて募っていることが話題になった。入試問題のミスが生じる背景はなにか。今回の場合のように寄付の形で支援金を集めるのは妥当なのか。

 まず、法的な関係を考えてみよう。大阪大は国立大学法人である。国立大学法人法で定められており、教職員は非公務員であるが、みなし公務員規定により、国家公務員と同じような一定の義務がある。もっとも、一般的には、民間企業と同じルールとなっている。

 民法715条では「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」とされている。いわゆる使用者責任である。

 これらから、教職員の行ったミスは、基本的には大阪大という国立大学法人が責任を持つこととなる。入試ミスにより受験生が被った損害は大阪大が持つわけだ。

 今回の寄付をめぐって問題なのは、大阪大が持っている責任について、教職員からの寄付という形を通じて、事実上、教職員に転嫁しているという点だ。

 もちろん、教職員が致命的なミスをしていれば、大学がその教職員に対して請求することはありえる。民法715条でも「使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない」とされている。

 今回のような入試ミスでは、関係者は細心の注意を払っていても避けられないので、担当者の責任にしたら、誰も入試問題に関わらなくなってしまう。その代わりに、全体の教職員に寄付を募るということになったと思われる。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう