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【高橋洋一 日本の解き方】万が一の場合、大学破綻への備えは万全か 人為的な「縦割り」が障害、新法人設置は天下り疑念も (1/2ページ)

 文部科学省は中央教育審議会(中教審)の部会で、各地の国公私立大の連携を進めるため、地域ごとに大学が参加する新法人を設立できるようにする新制度案を示したという。大学再編は進むのだろうか。

 文科省は来年の通常国会に新法案を提出し、2020年度の運用開始を目指すという。

 この新法人の目的は、表向きは「経営基盤を強化しグループの強みや特色を打ち出す」というものだ。グループ内の大学で共同教育課程を編成したり、施設・設備の相互利用や入試業務などの事務作業を共同化することで、各大学の得意分野に資金・人材を集中させることができるというわけだ。

 だが、文科省の真の狙いは、これから少子化の進行で競争が熾烈(しれつ)になって、破綻する大学が出た場合、新法人を学生や教職員の受け皿にすることだともいわれている。

 破綻する大学を処理する仕組みを作りたいというのは分かる。もちろん、破綻しないような政策が必要なのだが、万が一の場合、破綻もあり得るという前提の方が健全だ。

 破綻に備える仕組みは、1990年代後半の金融機関の破綻処理策を彷彿(ほうふつ)させる。それまで金融機関は破綻しないという神話があったが、それは神話に過ぎなかった。

 その当時、金融機関を潰すのはけしからんという議論もあったが、実際には「潰す」のではなく「潰れる」わけで、それを最小コストで行う必要があるということだ。

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