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【大前研一 大前研一のニュース時評】信じないほうがいい正恩氏の声明発表 北に「監視役常駐」要求を (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は20日、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止すると表明し、「今後は強力な社会主義経済の建設に総力を集中し、周辺諸国との緊密な連携と対話を積極化していく」という方針を示した。

 この発言、信じないほうがいいだろう。核保有国の立場を堅持する姿勢は崩しておらず、国際社会が求める核放棄の道筋にも言及していないからだ。ICBM以外の中距離、短距離ミサイルも放棄するとは言っていない。

 ICBMは米国まで届く最終段階にきているが、核を搭載して爆発させるには相当な技術が必要で、かなり苦戦しているのだと思う。カネもないし、時間もない。しかし、「開発は成功しなかった」ではバカにされるだけだ。

 そこで、米朝首脳会談の直前に「中止した」と表明して、交渉の材料に使ったほうが効果的と考えたわけだ。ずうずうしい発想だ。

 正恩氏の声明発表を受け、トランプ米大統領は「これは北朝鮮と世界にとって、とても良い知らせだ。すごい進展だ!」とツイートした。この能天気なトランプさんに、北朝鮮の非核化交渉の失敗の歴史を誰か解説してやってほしい。

 1994年の米朝枠組み合意に基づいて、北朝鮮は米国からのエネルギー支援と引き換えに核施設を凍結する約束をしたが、隠れて核開発は続けた。2002年にこの合意はほごにされた。

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