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慰安婦像の撤去巡る裁判闘争の記録『アメリカに正義はあるのか』目良浩一著 著者が粘り強い活動を決意

★ハート出版・1500円+税

 本書は、米国カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像を撤去させるべく提訴した裁判闘争の記録である。著者は原告団の一員となった「歴史の真実を求める世界連合会」代表。東大大学院修了後渡米し、ハーバード大博士課程修了、同大で教鞭(きょうべん)を執り、世界銀行に勤務した経歴を持つ。

 同市に慰安婦像が設置されたのは2013年。翌年、連邦地裁に撤去を要求して提訴。同年敗訴し翌年控訴、控訴棄却。2017年に最高裁で再審棄却となった。この間の戦いは孤軍奮闘といってよい。アメリカでは日系人社会ですら、慰安婦問題に無関心か性奴隷が事実だったかのようにとらえる人が多い。まして一般のアメリカ人は何の疑いも持っていない。中韓系団体によるネガティブキャンペーンが効果を上げているからだ。現地の日本総領事館もこの裁判には冷淡だった。

 しかし、このままでは日本人は悪徳人種とされ、子孫が差別され続けてしまう、との危惧から著者は闘いを継続。裁判には約2億円という巨額費用がかかったが、日本国内からの募金や著者が個人不動産を処分してまかなった。裁判結果は“門前払い”に近い内容だったが、日本国民の覚醒、その後全米国に拡大しそうな慰安婦像設置への抑止、沈黙していた日本政府が米最高裁に意見書を出すなどの成果があった。著者は今後も粘り強く活動していきたいと決意を述べている。

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