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【ぴいぷる】チンパンジーとヒト比較 人間はたやすく絶望、彼らは「今・ここ・私」 霊長類学者・松沢哲郎氏 (1/3ページ)

 京大霊長類研究所で1977年秋、「チンパンジーの心と生態を研究する「アイ・プロジェクト」がスタートする。以来、その牽引役となってきた。チンパンジーとヒトを比較することで「人間とは何か」を追究する「比較認知科学」が専門。「アイ」はチンパンジーの名前だ。

 「“彼女”は今41歳。最初に会ったとき、じっと見つめ返してきた。他の動物は人間と目を合わせないが、人は親愛の情を伝えるため見つめ合う。チンパンジーも同じなんだと驚いたものです」

 ■チンパンジーには人より優れた記憶力

 写真はパル(16)の学習光景。アイの息子のアユムの異母妹だ。

 「コンピューターパネル上にランダムに現れる1~19の数字、またそれらの飛び飛びの数を小さい方から順に指差します。正しいとブザーが鳴り、8ミリ角のリンゴを1個、ごほうびにもらえる。それが30分間。ほかにも数字をマスクして(=伏せて)記憶力を試したり、色が付いた漢字を選ばせたり、お絵かきにも挑戦する。アイから連綿と続くこの実験で、チンパンジーにはヒトより優れた記憶力があることも分かりました」

 数や漢字がわかる“天才チンパンジー・アイ”の名前が世界を駆け巡ったのも、一連の学習の結果だった。

 「アイたちの研究のかたわら僕は、アフリカで野生チンパンジーの研究もしてきました。彼らは地域ごとに固有な文化を持っている。例えば、ギニア・ボッソウで親から子に文化が伝わる様子を観察したとき、アイたち同様そこでも“教えない教育・見習う学習”が見られました」

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