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【緊迫する世界】米中の貿易と防衛のディール 北を生かすも殺すも習政権次第 (1/2ページ)

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 ドナルド・トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に最後通告を突き付けた! 「『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』(CVID)でやらない場合は、北朝鮮を先制攻撃する」という宣言である。

 われわれは、米朝のジェットコースターのような駆け引きに一喜一憂しているが、これをどう読むか-。

 トランプ氏は、北朝鮮や、背後で影響力を強める中国のペースにはまらず「完全非核化」を要求したわけで、「オールインワン」(=一括妥結および履行)しかない。もし、北朝鮮が「核・ミサイル実験」をした場合、即、軍事攻撃となろう。

 それを解くカギは、意外にも米中関係にある。米国は、北朝鮮と「非核化」交渉を行う一方で、中国と熾烈な貿易戦争を展開している。

 米国の2017年の対中貿易赤字は3752億ドル(約41兆1369億円)と、全体の半分近くを占めている。トランプ氏は3月1日、安価な鉄鋼・アルミニウムの輸入に対する報復関税を課す方針を表明。中国は米国からの農作物の輸入量を削減すると応じた。米中貿易戦争が勃発する恐れが世界を揺さぶった。

 ところが、スティーブン・ムニューチン財務長官は5月20日、「中国への追加関税発動を保留する」と述べ、500億ドル(約5兆4820億円)分の中国製品に高関税を課す制裁案をひとまず棚上げにした。

 さらに、トランプ氏は、米韓首脳会談(22日)の会談冒頭、中国の習近平国家主席が求める中国通信機器大手「中興通訊」(ZTE)への制裁緩和に前向きな姿勢をみせた。