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【山口那津男 本音でズバッと】トランプ氏の会談中止通告に最も慌てた金正恩氏 (1/2ページ)

 ドナルド・トランプ米大統領は24日、ようやく開催日程が決まった米朝首脳会談を突如、中止と通告した。朝鮮半島の緊張が再び高まるのではないかとの衝撃が駆けめぐった。

 トランプ氏の態度硬化は、北朝鮮が核実験場の爆破作業に、国際的専門家を招くという約束を破り、検証をできなくしたことがある。加えて、首脳会談の事前協議に応答しないなど、北朝鮮の態度に先がおぼつかないと感じたからに違いない。

 これに、最も慌てたのは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長かもしれない。「一方的な核放棄は受け入れられない」と牽制(けんせい)していたが、「核・ミサイル開発」を手段に、米国から体制保証を取り付けたかったのは北朝鮮である。

 やっとつかんだチャンスをフイにしては元も子もない、と思い直したのだろう。正恩氏は26日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と、板門店(パンムンジョム)で急きょ、南北首脳会談を行った。

 文氏によると、「正恩氏の要請で会談は開かれ、『朝鮮半島の完全な非核化』と『米朝会談の成功』を望む意思を示した」という。

 トランプ氏は会談を評価し、予定通り、6月12日、シンガポールでの米朝会談が再び軌道に乗り始めた。早速、米代表団を板門店に送り込み、協議に臨ませた。北朝鮮側と非核化をどう進めるか、隔たりを埋める準備が大切である。

 この間、安倍晋三首相は訪露し、プーチン大統領と会談した。両首脳は北朝鮮の非核化を進める基本方針を確認し、米朝首脳会談の成功を後押しすることで一致した。