記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】高等教育無償化と官僚の悪巧み 権力背景に論文なしで天下り 大学教員の脅威に (1/2ページ)

 高等教育無償化をめぐり、支援の要件として、実務経験のある教員が担当していることや、理事に産業界など外部の人材を複数任命していることなどが検討されていると報じられた。高等教育無償化への反発を和らげるためとの理由らしいが、筆者の直感としては官僚の仕組んだ悪巧みとしか思えない。

 そもそも「実務経験のある教員」そして「産業界など外部の人材」とはどういう意味なのか。

 一般的な大学教員は、大学卒業後に大学院に進学して教員になっている。この場合、「実務経験はない」とされる。一方、産業界の人の場合、多くは大学卒業後に就職して実務を経験している。その中で大学院に入学し一定の学位もある人もそれなりにいるが、学術論文などの学問業績はほとんどないことが多い。このような人は大学から見て「実務経験がある」という。

 また、「産業界などの外部人材」という場合、官僚からのいわゆる天下りも含まれる。この点を筆者は、官僚が仕組んだ悪巧みと感じるわけだ。

 もちろん官僚から大学への再就職がすべて悪いというつもりはない。筆者も役人を辞めてから、大学に再就職したが、そのために役人時代に長年にわたりコツコツと学会報告や学術論文を書きため、それらを集大成して博士号を取得し、一応の資格基準はクリアしていた。当然のことであるが、再就職にあたり一切、役所の世話にはなっていない。こうした事情なので、筆者の再就職を天下りであるという人はまずいない。

zakzakの最新情報を受け取ろう