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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】「コワモテ」と「ヤサガタ」使い分ける、トランプ氏一流の交渉術 (1/2ページ)

 米朝首脳会談が6月12日、シンガポールで開かれる。ドナルド・トランプ米大統領は、北朝鮮に対して「融和姿勢に転換したのではないか」との見方が出ている。果たしてそうか。私は「トランプ氏一流の交渉術」とみる。

 トランプ氏は1日、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長とホワイトハウスで会談した後、記者団に「私は率直に『(非核化に向けたプロセスを)急がなくてもいい』と伝えた」と述べた。

 そんな発言をとらえて、例えば、朝日新聞は3日付朝刊で「開催ありき 非核化後退」と書いた。私は思わず「加計ありき」のセリフを思い出した。朝日新聞の単純なステレオタイプ(紋切り型)は、ここでも遺憾なく発揮されている。

 確かに、トランプ氏は会談が複数回になる可能性に言及したり、「最大限の圧力という言葉を使いたくない」と述べた。

 だが、よく考えてみよ。北朝鮮が国と体制の存続をかけて、半世紀以上にわたって開発してきた核兵器を、たった1度の米朝会談で完全に放棄するはずもない。

 前々回のコラム(5月25日発行)で書いたように、私はかねて「米国は少なくとも1回は破談にする」と予想してきた。その通り、トランプ氏はいったん中止を発表した。すると、狼狽(ろうばい)した金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が必死で哀願してきたので、開催を受け入れただけだ。

 トランプ氏は訪米した金英哲氏の頭を優しくなでるように、もてなした。それを朝日新聞は「開催ありき」などと書く。

 一体、どこを見ているのか。最初から「開催ありき」だったら、自分が中止を言い出すわけがないだろう。

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