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北の農場が「闇金」に頼る理由 (3/3ページ)

 北朝鮮の農業は、病虫害や災害に極めて脆弱で、収穫量が減ることが多いのだが、政府は収穫量に関係なく、軍糧米(軍に供給する食糧)として収穫の一定量を徴収する。そのため、返済原資がなくなってしまうのだ。

 地域の事情を無視した無理な供出は、時に取り返しのつかない悲劇を生んでしまう。2012年に穀倉地帯の黄海南道(ファンへナムド)で数万単位の餓死者が発生した。当局が、金正恩党委員長の政権就任を祝う「どんちゃん騒ぎ」用の食糧を徴発したことで、極度の食糧不足に陥ったためだ。

 (関連記事:北朝鮮「大規模イベント」の裏に隠された悲劇…食糧「消滅」で人肉事件も

 もちろん、「ツケ」もヤミ金とみなされるため、訴訟になると処罰を受けるのはトンジュの方だ。最悪の場合、教化所(刑務所)送りにされてしまう。そのような事態に備えてトンジュは、協同農場の幹部に「ツケの取り引き」を持ちかけられても、簡単に首を縦に振らない。

 保安署(警察署)、検察から「問題ない」との確約が得られてようやく取引に応じる。もちろん、それにワイロが欠かせないのは言うまでもない。

デイリーNKジャパン
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