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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】「すべて持ち越し」で終わった米朝首脳会談 結局は政治的パフォーマンス優先、拉致問題でも不吉な予感 (1/2ページ)

 シンガポールで開かれた米朝首脳会談は「すべて持ち越し」で終わった。ドナルド・トランプ米大統領の「自画自賛」とは裏腹に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、ほっと胸をなで下ろしているに違いない。

 両者が署名した共同声明は、トランプ氏が北朝鮮に「体制保証」を約束する一方、正恩氏は「朝鮮半島の非核化」の決意を確認した。そのうえで、新たな米朝関係や半島平和の構築、先の南北首脳会談が発表した板門店(パンムンジョム)宣言の確認、戦争捕虜遺骨の返還などをうたっている。

 肝心の非核化を達成する具体的な時期や方法には、何も触れていない。これまで両国が述べてきた基本方針を文書で確認しただけだ。まさに「拍子抜け」だった。

 トランプ氏は記者団に「非核化プロセスは非常に早く始まるだろう」と述べたが、それは期待にすぎない。正恩氏の言葉でも、約束でもない。

 こんな文書なら、まとめなかった方がよかった、とさえ思う。

 成果らしきものといえば、トランプ氏が会見で明らかにしたミサイルエンジン試験場の廃棄くらいだ。それも実は、もう不要になった施設なのかもしれない。

 トランプ氏はあれほど、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」にこだわりながら、なぜ、その文言さえ盛り込まずに合意したのか。会見では「科学的に時間がかかる」と説明したが、説得力はない。結局、見栄えのする政治的パフォーマンスを優先した形だ。

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