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【大前研一 大前研一のニュース時評】日本のIT人材育成、小学校から徹底する以外に近道なし (1/2ページ)

 政府は新たな科学技術戦略の素案を取りまとめ、人工知能(AI)を扱うIT関連の人材を2025年までに数十万人規模で育成、採用する目標を掲げた。若手研究者に重点的に研究費を配分するほか、東京大学など16の有力大学に占める40歳未満の教員の割合を3割以上に増やすことが盛り込まれている。閣議決定し、骨太の方針に反映させる。

 だが、これは数とかスケールがちょっと違うのではないか。現在、IT関連人材については、どういう能力があるのか、世界的に通用することができるのかなど、テストすれば一発で測ることができる。現に入社試験をプログラミング能力で測っている私の友人の会社などはIT人材はすべて外国人になってしまった。

 日本の場合、IT関連人材も新卒の初任給は20万円とか30万円といわれる。昨年秋に中国の通信機器大手ファーウェイが日本で大学卒のエンジニアを「初任給40万円」で募集して大きな注目を浴びたが、それほど低く抑えられている。

 一方、世界の一流IT企業では、世界標準の最先端の研究ができるIT技術者には1000万円を超える年俸が与えられている。これが優秀な人を採るためのグローバル・スタンダードだ。

 米国のシリコンバレーなどでは、中堅エンジニアは3000万円以上で引き抜かれる。プロジェクトマネジメントもできる人材なら1億円の年俸も珍しくない。そういう国際市場で通用する人材の定義をしないで、日本政府が数だけを示しても始まらない。また、これは大学を対象にしているが、インドやイスラエルなどでは小学校から実務的なプログラミング教育が始まっている。

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