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【国防最前線】「米朝首脳会談」に冷ややかな米国民 6・12を引きずっているのは日本だけ (1/2ページ)

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 こんな本があったらいいなと思うのは『ドナルド・トランプ米大統領攻略本』である。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が書けば、たちまちベストセラー間違いない。

 何はともあれ、米朝首脳会談(12日)が終わり、世界はつかみどころのないトランプ氏の発言に振り回されている。国際政治や外交のスペシャリストらの論評を拝するに、今後の展望は「分からない」ということが、概ねの評価ではないか。

 ただし、合意文書の内容には多くが厳しい。

 「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を明記しておらず、長い時間をかけての非核化も認め、「朝鮮半島の非核化」としたうえ、「体制の保証」も明言したとされるが本当にそうなのだろうか。英文の訳し方の問題もあり、額面通り受け止めるべきかは疑問もある。

 いずれにしても、「これは何か米国側の戦略が隠されているのではないか」という見方や、「会談の実現自体が、トランプ氏の目的だったのではないか」と失望する声もある。真実は時間がたってみないと分からない。

 ただ、最近まで互いに激しく罵り合い、「斬首作戦」も噂されていたことを考えれば、短兵急にすべてが進む方が気味が悪いように思うのは私だけであろうか。

 文書の書きぶりは重要だが、文書作成が最終目的ではない。合意をベースに1つ1つ階段を上っていき、間違っても(北朝鮮にだまされた)過去と同じ轍を踏まないことを、われわれは厳しく意見すべきではないか。大統領ではなく、そのスタッフを信じることが肝要だ。

 北朝鮮のいう「ICBM(大陸間弾道ミサイル)」は技術的に完成されていないため、トランプ氏は、正恩氏を「ロケットマン」と呼んだのだろう。そんな脅しを、米国は不快には思っても心底から脅威に感じていなかったはずだ。