記事詳細

【国防最前線】「米朝首脳会談」に冷ややかな米国民 6・12を引きずっているのは日本だけ (2/2ページ)

 トランプ氏は、北朝鮮を「利用するだけ利用しよう」と考えたのではないか。11月の中間選挙や、自身の支持率上昇、あわよくばノーベル平和賞受賞、そして、日本や韓国に貸しをつくって装備品を売るもよし、何かと利益が得られる。

 シンクタンク「言論NPO」と、米メリーランド大学が、米朝首脳会談について、日米の計2215人に実施した世論調査がある。トランプ氏が合意した理由について、「北朝鮮の核計画の加速で、米国と同盟国に対する脅威が高まったため」と回答したのは日本人が17・7%だったのに対し、米国人は10・1%に過ぎなかった。

 米国民にとって、北朝鮮の「核・ミサイル」は喫緊の課題ではなく、会談実現も合意も「米国民のための働き」とは捉えていないようだ。

 「6月12日」は世界のメディアには特別な日になったが、その後も引きずっているのは日本だけだ。普通の米国人の注目は、どちらかというと「不法移民の親子引き離し政策」に向けられている。彼ら(とりわけメディアや知識層)にとっては、正恩氏よりもトランプ氏の方が問題なのだ。

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストとして防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気』(PHP研究所)など。